研究課題/領域番号 |
10308014
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高橋 正文 筑波大学, 社会工学系, 助教授 (90282326)
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研究分担者 |
刈屋 武昭 興銀第一ファイナンシャルテクノロジー, 理事(研究職)
今野 浩 東京工業大学, 理財工学研究センター, 教授(センター長) (10015969)
國村 道雄 名古屋市立大学, 経済学部, 教授 (70089952)
吉田 靖 住友生命総合研究所, 主任研究員
永原 裕一 明治大学, 政治経済学部, 助教授 (90298042)
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キーワード | 市場リスク / 信用リスク / 流動性リスク / 金融リスク管理 / 信用リスクの計測 / 倒産 / 格付 / 企業評価 |
研究概要 |
信用リスク、市場リスクに関する本格的な研究を各研究員がスタートさせ、研究成果も少しずつ出始めてきた。これまで出てきている研究は、信用リスク、市場リスクを計測するための統計学的基礎論ないし伝統的計測手法に対する計測改善手法が多い。データ入手の困難であり、標準的分析方法が確立されていない分野にも、研究のメスが入ってきたことは、特筆すべきである。特に金融危機の主役を演じた金融機関そのものに関わる研究(具体的には配当政策、時価情報、保険数理など)については、本プロジェクトの研究員(刈屋、池森、國村)がわが国を主導し、新しい知見を確立しつつある。また、リスク計測基礎論においても、理論から乖離する価格収益率分布の新しい推定方法の提案(永原、高橋)、個々の証券市場価格をリスク・ファクター換算で計測する時に必要不可欠となるパラメータであるベータの推定方法の提案(三浦)、信用リスクや流動性リスク計測のベースとなる金利期間構造の精緻な推計方法の提案(出水)等など、研究者独自の視点と知見で新しいリスク計測手法が提案されており、第2年度の研究としては、まずまずの成果を達成した。 3年間の研究期間の中の第2年度段階であり、上に述べたものの他に途中経過段階の研究も少なくない。この中には複素確率過程のリスク管理への導入、市場での値洗い機会の少ないポートフォリオをもつ企業の信用リスクの計測、倒産企業の自己資本と借入金の構成と企業価値やその変動構造の分析など、本プロジェクト独自に研究されている新しい研究内容、分野があり、産学双方から理論的にも実務的にも大きな成果が期待されている。
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