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1999 年度 実績報告書

大阪周辺域における強風・落雷・豪雨の短時間高精度測定と予測システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 10308015
研究機関北海道大学

研究代表者

藤吉 康志  北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40142749)

研究分担者 吉本 直弘  大阪教育大学, 教育学部, 助手 (10294183)
小西 啓之  大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (70178292)
川島 正行  北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (10281833)
里村 雄彦  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20273435)
河崎 善一郎  大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60126852)
キーワードダウンバースト / バイスタティックレーダー / ドップラーレーダー
研究概要

今年度も昨年度と同様に、大阪平野において、関西空港気象ドップラーレーダーとの共同観測を中心とした、激しい気象擾乱の観測を継続した。これまでに取得した観測例は、170ケースにものぼっている。また、予定通り、ドップラーレーダーの処理系をバイスタティック化できるシステムに改造した。これにより、受信感度、探知距離、データ取得時間などが改良された。離着陸時の航空機にとっては極めて危険な現象であるダウンバーストの三次元気流構造の時間変化を2台のドップラーレーダで捉えることに成功した事例について解析を進めている。このダウンバーストは、停滞前線が近畿地方を南東進した際に前線に沿って積乱雲群が発達し、それらから次々に発生したものである。解析の結果、前線全体の走向とは別の走向を示したバンド状エコーを形成する積乱雲から2つのダウンバーストが発生していたことが分かった。一つはバンド状エコーの北東領域に発生したもので、バンド状エコーの走向変化直後から高度3km以下において発散性の流れが認められ、下層ほど明瞭であった。興味深いことに、発散は軸対称的なパターンではなく、発散中心からバンド状エコーの進行方向に対し右前方にあたる南側への水平風成分が特に強く、高度0.5kmで15m/s以上の強風が解析された。二つめのダウンバーストは先のダウンバースト発生後10分程後にバンド状エコーの南西領域に現れた。四方に発散するような流れはほとんど見られず、南側への気流の吹き出しが顕著であった。強い吹き出しが南側に偏在した原因としては、北東領域からの流れと北西側の別の発達した積乱雲からの外出流の合流による南向き成分の強化が考えられる。以上のことから、ダウンバーストによる強風域の偏在には、周囲の下層の気流のほかに、中層の強風帯の存在とその運動量輸送が影響を与えることが示唆された。このことはダウンバーストの非対称性の理解と強風の出現予測の上で重要な知見である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 河崎 善一郎: "UHF波帯干渉計を用いた多重落雷及び多地点落雷観測結果"電気学会論文誌. B,119-B. 614-619 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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