研究課題/領域番号 |
10308017
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤本 孝 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90026203)
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研究分担者 |
図子 秀樹 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (20127096)
前川 孝 京都大学, 大学院・エネルギー科学研究科, 教授 (20127137)
蓮尾 昌裕 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40218433)
吉川 正志 筑波大学, 物理系, 助手 (00272138)
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キーワード | トカマク / ミラー / 分光 / 偏光 / ベリリウム様酸素 / 非等方性 / 電子速度分布関数 / 衝突・幅射モデル |
研究概要 |
WT-3トカマク用分光器に本科研費で購入したCCD検出器を取り付けた。本検出器は高感度であり、焦点面位置を微調整したこととあいまって、格段に高精度の実験が可能となった。また像縮小(8:1)光学系を設置し、磁力線と垂直方向に9cmの範囲を偏光分解同時観測した。その結果、ベリリウム様酸素発光線(3s^3S_1-3P^3P_<0,1,2>)などの偏光度の空間変化が観測できた。1cm以下のスケール長で偏光度は変化していた。筑波大学GAMMA-10ミラープラズマに対してもオプティカルファイバーを介しての偏光分光実験を行い、鉄、クロムの中性、1価イオン線に著しい偏光を観測した。発光の偏光度をプラズマ中電子速度分布関数に結びつけるポピュレーション・アラインメント衝突・輻射(PACR)モデルの定式化を電離過程プラズマ成分については完成した。電子衝突励起断面積は歪曲波近似による計算値を採用した。いまだ予備的な結果であるが、実験値よりも約1ケタ小さな偏光度が得られた。衝突断面積に対する共鳴効果を正しく取り入れるために、R行列法の大家であるBerrington教授の来日を仰いだ。教授は既存のプログラムの拡張を行ったが、本年度中に計算結果を得るまでには至らなかった。Kilcrease博士にも来日を仰ぎ、脱励起断面積の計算を実行していただいた。来年度に向けて、モデルの改良を行なう予定である。一方、非等方的速度分布を持つ電子群から出発する再結合プラズマに対するPACRモデルの構築をめざして、高励起水素原子にたいする電子衝突過程の半古典論的モンテカルロ計算を行なった。電離過程の時間を逆転すれば、3体再結合過程であることに着目し、プラズマ中での再結合速度係数の定式化にメドをつけた。来年度完成予定である。
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