研究課題/領域番号 |
10308019
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
桂井 誠 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70011103)
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研究分担者 |
板垣 敏文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (60242012)
小野 靖 東京大学, 高温プラズマ研究センター, 助教授 (30214191)
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キーワード | プラズマ / 核融合 / 磁気閉じ込め / トカマク / コンパクトトーラス / 球形トカマク / 低アスペクト比トカマク / 異極性合体 |
研究概要 |
本研究は、互いに反平行の内部トロイダル磁場を有する二つのコンパクトトーラスプラズマを合体させ、その過程で磁気リコネクションによる磁気エネルギーから熱エネルギーへの高速エネルギー変換を起こさせることによって、高効率で高ベータ(=プラズマ圧力/磁気圧力)を有する反磁性領域の球形トカマクを生成する方法を確立して、そのプラズマ閉じ込め性能を評価しようとするものである。本年度はまず、新装置TS-4内に磁束保存容器を設置して、その片側および両側より同軸プラズマ銃で異種性プラズマの放出実験を行い、さらにそのデータを基として、本格的な合体装置へと改善を行った。具体的には、TS-4内部に、1対のフラックスコアー、中心オーミック加熱コイル(OHコイル)兼外部トロイダル磁場発生用コイルアセンブリー、およびTS-4外部に平衡磁場発生用の水冷空心コイル、等を設置した。この構成のもとて予備実験を開始して、内部にプラズマ電流100kA級の異極性コンパクトトーラスプラズマの生成を確認した。このTS-4装置の整備と並行して、従来のTS-3を用いて異極性合体高β球形トカマクの生成実験を継続した。TS-3においては、スフェロマックの異極性合体によって高ベータ逆磁場配位(FRC)を生成し、それをOHコイルによって200μs程度電流駆動する間、中心導体の電流を増大させて外部トロイダル磁界を浸透させる、という方法を採用している。この手法によって、平均ベータ〈β〉で50〜80%の反磁性領域の絶対極小磁場を有する球形トカマクの生成を確認することができたが、その配位の特性を詳細に測定し、特に安定化係数分布(q分布)の変化による配位の時間発展を詳細に計測することができた。特に〈β〉〜60%においてバルーニングモードに対して安定な配位の実現を理論的にも確認し、これはいわゆる第二安定化領域に入っていることによるものと結論づけた。
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