研究課題/領域番号 |
10308020
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
核融合学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
田辺 哲朗 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (00029331)
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研究分担者 |
吉田 朋子 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (90283415)
武藤 俊介 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (20209985)
上杉 喜彦 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (90213339)
平野 洋一 電子技術総合研究所, 主任研究員
大宅 薫 徳島大学, 工学部, 教授 (10108855)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | ダイバータ / 高Z金属 / モリブデン / タングステン / プラズマ・壁相互作用 / 高熱流速 / 水素イオン / 水素リサイクリング |
研究概要 |
本研究の目的は、高融点金属であるタングステンやモリブデン(これらの金属は原子番号が大きいので高Z材と総称する)をITERをはじめとする実際の核融合炉のダイバータ部分で、プラズマ対向材として使う事が本当に可能かどうか、またどのように高Z材を発展あるいは展開させれば使用可能になるかを明らかにする事である。 本年度得られた成果は以下の通りである。 (1)米国サンディア研究所の直線型プラズマ装置で重水素放電中のターゲット近傍のバルマー系列の発光を測定し、ターゲット材料(チタン、ニッケル、銅、モリブデン、タンタル、タングステン)の質量数が増えるにその発光強度が増加することを見いだしたことをうけて、実際のトカマク装置に炭素とタングステンを一対にしたリミタを挿入し実際にプラズマがターゲットの影響を受けていること世界で初めて明瞭に示した。 (2)リミッタ表面からの不純物の発生プロセスを計算機シミュミレーションした。実際に独国ユーリッヒにあるプラズマ実験装置TEXTORでの磁場、電場および幾何学的形状を考慮に入れてプラズマ対向壁で発生した不純物の挙動を追跡した。周辺プラズマでイオン化された後、磁場の存在により才差運動するため、特に原子番号が大きい不純粒子ほど発生した場所の近傍に再堆積するため、壁で発生した高Z不純物のほとんどが再堆積し、懸念されていた高Z不純物によるプラズマの汚染がほとんど起こらないことが理論的にも確認できた。 (3)TEXTORに黒鉛にタングステン被覆したリミタを持ち込み、60%以上のプラズマ・壁相互作用がそこで起こる様な条件でプラズマ放電実験い、現在のプラズマ装置では高Z材料がプラズマ対向壁として使用可能であることを実証した。またWの形状としてはブロックを加工するのではなくCVDあるいはPVD被覆が適当であることを示した。 (4)3年間の研究により、高Z材はダイバータに利用可能であることが示されたため、国際熱核融合炉ITERにおいてもとりいれられる事となった。
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