研究課題/領域番号 |
10308022
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中沢 正治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00010976)
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研究分担者 |
河原林 順 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80283414)
高田 英治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (00270885)
高橋 浩之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70216753)
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キーワード | 光 / イオンビーム / 荷電粒子 / HPD / 2次電子放出 / DLC / MSGC |
研究概要 |
平成10年度は、以下のように研究を実施した。当初計画では製膜装置としてCVD装置を導入する予定であったが、種々の電子放出面に対応できるよう電子ビームを使用して蒸着を行うこととし、電子銃・フォトリソグラフィ装置の導入を行った。 1) MSGC・2次電子放出面の電極形状の設計 微細加工技術を用いて2次電子放出面と、加速電子を受け止めるMSGCの電極パターンの双方について設計を行なった。汎用の有限要素計算コードANSYSを導入し、検出器の種々の形状に対して電場を計算し、放出2次電子の軌道計算および検出器上での電荷の流れが最適になるように検討を行った。なお、MSGCの電極パターンについては、電荷収集の観点から十分な大きさの信号が得られるように工夫を行った。 2) 2次電子放出面の検討 本研究において重要な役割を占める2次電子放出面について、特に大きな2次電子放出率の得られる物質を用いることについて検討を行った。MgO.KCl.ZnBe.負性電子親和物質として最近注目されているダイアモンドライクカーボン(DLC)等種々の物質について製膜を行い電子放出特性試験をした結果、DLCについては水素終端処理を施すことで電子増倍度の改善がなされることが分かった。今後、水素終端処理の最適化を行うことで安定かつ大きな電子放出率が得られることを目標として研究を進めるものとする。これらの成果については日本原子力学会、1999年の国際学会HARMST等において研究発表を行う予定である。 3) 真空チェンバ・ガスチェンバの製作と測定系の整備 試作素子を測定するための真空チェンバと比例計数管として動作させるためのガステェンバを作裂を行った。また、リファレンス用として窓なし型のフォトダイオード・アパランシェフォトダイオードを組み合わせた測定システムを構築し、HPDとして動作させ、単一電子から得られる信号の測定を行った。
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