研究概要 |
本年度は,購入した放電プラズマ焼結装置を用いて,^<10>B_4^<12>C,^<10>B_4^<13>C,^<11>B_4^<12>C,^<11>B_4^<13>C同位体濃縮B_4C試料を作成し,熱伝導率を測定した。ほぼ平均原子量の大きい程熱伝導率が低下し,約2割の差が出た。今後,硬度,電気伝導度,ゼーベック係数,熱容量測定を行い同位体効果をより明確にする。 また,^6Liと^7Liを濃縮したLi_2Oのイオン伝導率測定を複素インピーダンス法により行った。^6Li_2Oと^7Li_2Oでは明確な違いは認められなかった。 一方^<46>Ti,^<48>Ti,^<206>Pb,^<207>Pbを濃縮したPbTiO_3強誘電体を作成し,転移温度に及ぼす同位体効果を調べた。^<46>Tiと^<48>Ti濃縮試料間では,約7Kの転移濃度の違いが認められた。しかしながら^<206>Pbと^<208>Pbの間では1〜2Kの違いであり,Tiに比べてPbの転移点に及ぼす同位体効果は小さかった。 今後,酵素同位体効果も含めて広範な試料について調べ,同位体効果の発生するメカニズムについて議論する予定である。
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