研究課題/領域番号 |
10308025
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中西 正己 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (60025434)
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研究分担者 |
中山 英一郎 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50108982)
和田 英太郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40013578)
川端 善一郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (80108456)
占部 城太郎 京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (50250163)
紀本 岳志 財団法人 海洋化学研究所, 研究主事
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キーワード | 琵琶湖 / モデル / 環境変動 / 生態系 / 物質循環 / 物理・化学・生物相互作用 |
研究概要 |
1.「琵琶湖標準モデル」の開発に必要な情報として、食物網を担うプランクトン群集の各栄養段階の生物量、摂食速度、それを支える化学物資の日内空間変動を調べるため、昨年度(水温躍層安定期-9月)に引き続き、水温躍層形成期(5月25-27日)に琵琶湖北湖盆の定点において48時間連続観測を行った。 (1)水温躍層の不安定な5月においても、内部波により水温の鉛直分布は変動し、これに伴い日内でのウイルス、バクテリア、植物プランクトンの生物量や無機化学物資の鉛直分布パターンも表層水中で微妙な変動を示した。 (2)蛍光ビーズを用いた微少従属栄養鞭毛虫や甲殻類プランクトンの接触速度の測定の結果、摂食速度に日内変動が認められた。 2.水温躍層形成初期(5月)から安定期(8,9月)-末期(11月)まで週1回の頻度で栄養塩・光と植物プランクトンの鉛直分布との関係についての調査を行った。植物プランクトンは栄養塩濃度や光強度に対し要求度の異なるピコ藻(0.2-2μm)、ナノ藻(2-20μm)、マイクロ藻(>20μm)に分画し、それぞれの鉛直分布パターンを抽出した。 水温躍層形成期(5-7月)は栄養塩-光バランスを反映し、サイズにより異なった鉛直分布パターンを示したが、水温躍層の安定期に入ると表水層中での水の鉛直混合が強くなるため、いずれのサイズ分画の藻類も鉛直分布は均一になり、栄養塩-光バランスを反映した分布パターンを示さなかった。 3.気候変化が琵琶湖生態系に与える影響の程度を明らかにするモデルの開発と検証を目的とした研究会を5回開催し、物理モデル、生物-地球科学炭素循環モデル、生態系モデルについて検証した。
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