研究課題/領域番号 |
10308029
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
構造生物化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山口 明人 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (60114336)
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研究分担者 |
名田 茂之 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (50291448)
村上 聡 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (30300966)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 異物排出蛋白 / 薬剤耐性 / 部位特異変異導入 / 排出 / 排出蛋白 / テトラサイクリン / X線結晶解析 / ポストゲノム |
研究概要 |
(1)テトラサイクリン排出タンパク構造機能解析では、タンパク質を構成する全400アミノ酸残基すべてを一つずつCysに置換する完全Cys走査変異体セットを構築し、おのおのの残基の役割、所在場所(膜の内外表面または二重層内)などを正確に決定したマップを分子全体に渡って作成できた。その結果、テトラサイクリン排出蛋白は内側6本、外側6本のへリックスが環状に束ねられ、中央に水で満たされたチャネルがあること、チャネルの中央部にはゲートが存在することなどが明らかにされた。さらに、Cys二重変異体を多数構築し、そのS-S架橋の有無を検討することにより、おのおのの膜貫通ヘリックスの相対配置を決定することができるようになりなり、分子生物学的に立体構造モデルを構築する道が開けてきた。 (2)動物細胞異物排出タンパクについては、MRPの薬剤排出測定系を確立し、保存性塩基性残基に部位特異変異導入を行い、膜貫通領域にあって、有機アニオン性基質の輸送に関与するアルギニン残基、ならびに阻害剤シクロスポリンA結合に関与する残基を同定した。 (3)膜輸送タンパク質としてははじめて、膜貫通内在性輸送蛋白の結晶化に成功し、現在Spring8において回折実験を行っている。これは、膜輸送蛋白では初めての立体構造決定であるばかりでなく、異物排出タンパクによる異物認識の分子機構が仮説としてではなくはじめて立体構造に基づいて明らかにすることができる。異物排出タンパクを克服する薬剤のドラッグデザインの基礎としても大いに期待している。 (4)血小板から脂質メディエータースフィンゴシン1リン酸分泌タンパクと推定される全く新しいABC輸送体遺伝子の全長をcDNAクローニングし、発現させることに成功した。
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