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1998 年度 実績報告書

超分子システム内での1分子機能・分子間協調の顕微画像化と解析

研究課題

研究課題/領域番号 10308030
研究種目

基盤研究(A)

研究機関早稲田大学

研究代表者

石渡 信一  早稲田大学, 理工学部, 教授 (10130866)

研究分担者 藤田 英明  早稲田大学, 理工学研究科・学振, 特研(DC)
船津 高志  早稲田大学, 理工学部, 助教授 (00190124)
キーワード超分子システム / 1分子機能・分子間協調 / 顕微画像化・顕微解析 / アクチン・ミオシン間結合力 / キネシン・微小管結合力 / SPOC / 心筋収縮系 / シャペニロン
研究概要

本年度は、顕微画像化・解析装置のアップグレードを行う一方で、1分子機能顕微解析の対象として以下の3つの実験系を取り上げた。1)アクチン・ミオシン分子モーター系:アクチン・ミオシン(HMM)分子間の硬直結合状態における破断力分布を、様々な負荷上昇速度のもとで計測した。その結果、負荷上昇速度が大きいと、破断力分布は7pN付近と15pN付近に2つのピークをもつが、負荷上昇速度が小さくなると、15pN付近のピークが消えることが分かった。このことから、ミオシン分子は硬直結合状態において単頭結合と双頭結合の平衡状態にあると結論された。2)微小管・キネシン分子モーター系:微小管・キネシン分子間結合の破断力と、キネシン分子の弾性率を、ATP非存在下(硬直状態)とAMPPNP存在下(ATP状態)で計測した。そこで1)と同様に、破断力と弾性率の負荷上昇速度依存性を計測した。その結果、破断力、弾性率ともに、硬直状態ではATP状態の約半分であることから、前者では単頭結合、後者では主に双頭結合であることが分かった。さらに負荷上昇速度依存性から、双頭・単頭結合間に平衡関係が成り立っていることが分かり、そこでの速度定数が見積もられた。3)心筋収縮系:最大等尺張力に対するpHの作用は、心筋と骨格筋では異なる。アクチンフィラメント再構成心筋を用いて、pH減少に伴う張力減少の程度がトロポミオシンによって制御されることを明らかにした。4)シャペロニン:シャペロニンGroELはATP存在下でGroESと相互作用しながらタンパク質の折れたたみを助けている。そこで、GroELとGroESを異なる蛍光色素で標識し、1分子蛍光イメージング技術を用いて結合解離を解析した。その結果、結合時間の分布が単純な指数分布ではないことから、GroELとGroESは結合した後に構造変化を起こし、ある中間体を経て解離することが示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kinosita, Jr., K.: "F_1-ATPase:A rotary motor made of a single molecule" Cell. 93. 21-24 (1998)

  • [文献書誌] Fujita, H.: "Spontaneous oscillatory contraction without regulatory proteins in actin filament-reconstituted fibers" Biophys.J.75. 1439-1445 (1998)

  • [文献書誌] Fukuda, N.: "Regulatory roles of MgADP and calcium in tansion development of skinned cardiac muscle." J.Muscle Res.Cell Motil.19. 909-922 (1998)

  • [文献書誌] Ishiwata, S.: "Contractile Properties of thin(actin)filament-reconstituted muscle fibers." Adv.Exp.Med.Biol.453. 319-328 (1998)

  • [文献書誌] Harada, Y.: "Single molecule imaging of RNA polymerase-DNA interactions in real time." Biophys.J.76. 709-715 (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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