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1998 年度 実績報告書

気体神経メッセンジャー、COの発現機序とその生理作用

研究課題

研究課題/領域番号 10308034
研究種目

基盤研究(A)

研究機関大阪大学

研究代表者

遠山 正彌  大阪大学, 医学部, 教授 (40028593)

研究分担者 玉谷 美智夫  大阪大学, 医学部, 助手 (30294052)
小川 智  大阪大学, 医学部, 助教授 (90283746)
キーワード低酸素負荷 / HO-1 / 細胞死 / アストロサイト / 脳虚血
研究概要

我々は低酸素負荷を加えた培養アストロサイトが気体神経伝達物質の合成酵素(HO-1,HO-2)のうち、HO-1(inducible type)の発現が誘導されることを既に見いだしている。今回は虚血負荷を加えられた動物(ラット)脳において HO-1 が実際に発現されるのか、また発現されるとしたらどのような細胞に発現されるのかを免疫組織科学とin-situ hybridization 法を用いて検討し?た。
HO-1蛋白は虚血負荷を加えられた側の脳、とりわけアポトーシスのマーカーである Tunel染色が強陽性の部位で且つ神経細胞のマーカーである MAPII が弱く染色される部位に強く発現していた。この領域での Tunel 陽性細胞は神経細胞であり、MAPII は弱く染色される事実を考えるとこの領域の神経細胞の多くはアポトーシスを起こすか細胞死を起こしていることとなる。HO-1 蛋白はこのような神経細胞には発現しない。アストロサイトのマーカーである GFAPと HO-1 蛋白の二重染色の結果 HO-1 を発現する細胞のほとんどが GFAP 陽性であることが判明した。これらの事実は HO-1 蛋白は in vivo でも虚血脳とりわけ虚血部のアストロサイトに発現していることを示す。引き続く in situ hybridization 法による検索でもHO-1mRNA は虚血側脳の虚血部に発現し、陽性細胞はその形態から判断してアストロサイトであった。以上の事実は脳虚血によりアストロサイトに誘導されるHO-1 は 1) 脳虚血下でのアストロサイトの生存に、2)脳虚血による神経細胞死の惹起に、関与する可能性を強く示唆する。次年度は HO-1 の発現機序を検討し、最終的には HO-1 により産生される一酸化炭素が虚血の脳にてどのような役割を有するのか解明する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Ozawa,K.Kuwabara,M.Tamatani,K.Takatsuji,Y.Tsukamoto et al: "ORP150(150kDa Oxygen-Regulated Protein)supresses hypoxia-induced apopototic cell death." Journal of Biological Chemistry. (In press). (1999)

  • [文献書誌] M.Tamatani,Y.Che,H.Matsuzaki,S.Ogawa,H.Okado,S.Miyake et al.: "TNF Induces Bcl-2 and Bcl-x expressIon through NFkB actIvatIon In prImary hIppocampal neurons" Journal of Biological Chemistry. (In press). (1999)

  • [文献書誌] M.Tamatani,S.Ogawa,G.Nunez,M.Tohyama: "Growth factors prevent changes in Bcl-2 and Bax expression and neuronal apoptosis induced by nitric oxide" Cell Death Differentiation. 5. 911-919 (1998)

  • [文献書誌] Yamashita T,Tamatani M.,Taniguchi M.: "Regulation of Na+/myo-inositol cotrasporter gene expression in hyperglycemi hippocanpus" Molecular Brain Research. 57. 167-172 (1998)

  • [文献書誌] Ugawa S,Minami Y.,Guo W.,Saish Takatsuji K.,TohyamaM: "Receptor that leaves a sour taste in the mouth" Nature. 395. 555-556 (1998)

  • [文献書誌] Tacke R,Tohyama M.,Ogawa S.,James L.Manley: "Human Tra2 Proteins Are Specific Activators of Rea-mRNA Splicing" Cell. 93. 139-148 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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