研究課題/領域番号 |
10308036
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研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
米川 博通 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 副所長 (30142110)
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研究分担者 |
多屋 長治 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (90175456)
岡本 美恵子 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (80152354)
前田 幸子 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (40109947)
烏山 一 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (60195013)
吉川 欣亮 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (20280787)
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キーワード | ヒト疾患モデルマウス / アトピー性皮膚炎 / 高IgE血症 / NC / Nga / 近交系マウス / 多因子連鎖解析 / マイクロサテライト / MSM |
研究概要 |
今年度は、これまで作製した500頭以上の[(NC×MSM)F_1×NC]N_2分離個体の中から、重症の皮膚炎を発症した93個体を用い、NCとMSM間での多型を示した895種類のマイクロサテライト遺伝子座に対するマーカーのうちから223マーカーを選び遺伝子タイピングを行った。次に、その遺伝子タイピングの結果と皮膚炎発症について連鎖解析を行い、連鎖非平衡を示した遺伝子座を抽出した。その結果、第9染色体33-34cMに統計学的な有意水準を満たす6つのマイクロサテライトマーカーを同定し、その染色体領域にあるとされるアトピー性様皮膚炎の発症に関わる最も強い候補遺伝子をderm1と命名した。この染色体領域をさらに、マウス・チャイニーズハムスター間のRadiation Hybrid(RH)パネルによるマッピングで、それらマーカーの詳細な位置関係も判明した。さらに、ヒト・マウス間の進化的に保存された連鎖関係(シンテニー)の情報から、このderm1に対応するヒトアトピー性皮膚炎原因遺伝子の一つは、ヒト第15染色体上にあることが示唆された。また、皮膚炎の雌雄差と相関性の高い染色体領域を第12染色体に確認した(統計的にはsuggestiveなレベル)。皮膚炎発症を支配する候補遺伝子を単離するため、derm1領域に存在するそれら候補遺伝子の中から、免疫に関係する5つの発現遺伝子をRT-PCR法で単離し、NC特異的な単塩基置換(single nucleotide polymorphism;SNP)を探索した。その結果、3種のマウス系統のうちNC特異的なcSNPをもつ遺伝子はCd3d,Cd3e,Cd3g,Il18であった。さらに、その変異がアミノ酸配列にまで至っているものは、Cd3d、Cd3eであることが分かった
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