研究課題/領域番号 |
10308037
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医用生体工学・生体材料学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
塩川 光一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20037295)
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研究分担者 |
岩坂 正和 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (90243922)
安藤 譲二 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20159528)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 強磁場 / 生物発生 / ツメガエル / 卵割パターン / 磁場配向 / 反磁性 / 磁場効果 / 細胞配向 |
研究概要 |
本研究では、生体高分子、細胞レベルおよび実験動物レベルにおける、強磁場を用いた新しい生体反応制御法の基礎となる現象・機構を調べた。 アフリカツメガエル卵の初期発生過程に対する最大14テスラまでの強磁場の影響を調べることにより、強磁場の催奇形性および卵の卵割に対する磁場制御の可能性を調べた。10テスラ級の水平方向磁力線は初期卵割(第2-第3卵割)の卵割面の傾きに影響を与えた。しかし、磁場影響が見られたのは初期卵割期のみで、オタマジャクシの段階で判定したところでは催奇形性に対して磁場影響は見られなかった。初期卵割パターンに磁場影響が見られたにもかかわらず、オタマジャクシにまで成長した時点で磁場曝露/非曝露の間で催奇形成率に差が見られなかった事実は、卵の分割の方向に依らず細胞内成分の分布に大きな変化が生じなかったことを示唆しており、従って、細胞分裂が進行して細胞内相互作用が起こるときに特に異常が生じなかったためである、と考えられた。 また、細胞レベルでの強磁場効果について、汎用的な培養付着細胞における反磁性物質の磁場配向を新たに見出した。 高分子・生体関連物質レベルでの強磁場効果について、水の構造における反磁性エネルギーを介した微妙な構造変化を指摘するとともに、水と蛋白質の磁化率の相違に基づく磁気泳動効果の観測を行った。 実験動物の強磁場空間における呼吸を近赤外酸素モニタでリアルタイム計測した。空間的磁場勾配の影響で空気中の酸素分子の挙動が変化し磁場中のラットの肺への酸素流入が促進された結果、ラット体内の血中オキシヘモグロビン濃度が上昇し、デオキシヘモグロビン濃度は減少した。 生体内導体の不均一性に着目した数値計算モデルの構築を行い、導電率の異なる部位の境界が神経磁気刺激に強く影響を与えることを見いだした。
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