研究課題/領域番号 |
10309002
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
村上 隆 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (20261357)
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研究分担者 |
佐伯 浩 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30001209)
井上 紘一 北海道大学, スラブ研究センター, 教授 (10091414)
青田 昌秋 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (40001664)
畠山 武道 北海道大学, 法学部, 教授 (40062666)
中尾 繁 北海道大学, 水産学部, 教授 (40002092)
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キーワード | ロシア / サハリン / 海洋開発 / 石油・ガス開発 / 環境 / 海洋汚染 / 地域研究 / 原油流出 |
研究概要 |
平成11年7月末に、サハリン島北東部に位置するアストフスコエ鉱区で石油開発が開始されたことから、研究の主眼を海洋での原油流出の可能性とその対応においた。とくに、5月の「北方ユーラシアの開発と環境」に関する連続7回の公開講座には80名が参加し、市民の関心を呼び起こした。また、原油流出の場合北海道オホーツク沿岸において大きな被害が想定されることから、平成12年2月に「MONBETU2000シンポジウム」(紋別市)を開催し、200名の参加を得、原油流出対応策が議論された。 基礎的な調査・研究については、その成果が合計5回の研究会で検討された。それらは、本年度研究計画についての討議、E.ニキーチナ報告「1990年代の環境政策の成功と失敗」、大塚夏彦報告「原油流出に伴う被害想定」、山村悦夫報告「地理情報システムによるサハリンの地域環境概要」、皆川修吾・北川弘光・吉田東海雄報告「海洋汚染に関するノルウエーのロシアとの協力および油流出防止対策」、中尾繁報告「オリマルジョンと界面活性剤が貝類に与える影響」である。 平成11年度は、北海道大学スラブ研究センターのなかに「サハリンの開発と環境」に関するホームページを開設し、研究成果の共有に努めた。 サハリン島北東部での石油開発開始直後、原油流出事故が発生し、本研究による警告が現実のものとなったことから、本研究の意義が改めて評価され、学問的な研究と社会との適合の重要性が再認識された。ただ、オホーツク海の海洋における海象条件のモニタリング、調査はすぐに結論づける性格のものではなく、また費用がかかることから、継続的な調査が必要である。
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