研究課題/領域番号 |
10309007
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
加藤 博 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (10134636)
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研究分担者 |
立石 博高 東京外国語大学, 外国語学部, 教授 (00137027)
斎藤 寛海 信州大学, 教育学部, 教授 (00020628)
竹内 啓一 駒澤大学, 文学部, 教授 (00017617)
大月 康弘 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (70223873)
臼杵 陽 国立民族学博物館, 地域研究企画交流センター, 助教授 (40203525)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 地中海世界 / 基層文化 / 国民国家 / グローバリゼーション / 複合文化社会 / 社会秩序 / ローカル・フリッジ / 社会変動 |
研究概要 |
現在、地中海周辺地域は大きな変動期を迎えている。この大変動の原因は、ソビエト連邦の崩壊、東西冷戦体制の終焉と、それに伴って様々な分野で生じているグローバリゼイションの展開である。その中で、国民国家、国民経済を核とした既成の政治・経済体制と文化的な枠組みの流動化が生じているのである。本研究は、こうした地中海周辺地域に現在生じている変動と、政治・経済・社会の枠組みの諸相を、「基層文化」をキーワードとして明らかにし、地中海世界の将来を見通すことを目的としている。 本研究では、平成10年度に「地中海世界における基層文化と宗教・民族」、平成11年度には「地中海世界における基層文化と政治・経済変動」の課題のもとに研究を推進してきた。その成果を踏まえつつ、計画の最終年度となった平成12年度には「地中海世界における基層文化と社会変動」を中心テーマとして研究を行った。すなわち、東西冷戦体制の終焉に伴う宗教と民族の流動化が、地中海世界においてどのような社会変動をもたらしたかという視点から分析を推進した。分析の中心は、宗教と民族の流動化の原因でもあり結果でもある大量の難民を含む人口移動が、いかに従来の国民国家を枠組みとした政治秩序システムを突き崩しつつあるかであった。それと同時に、こうした国民国家システムを越えるボーダレス化とボーダフル化の展開のなかで、いかにすれば地中海世界に新しい政治秩序をもたらしうるかとの問題を、アメリカ合衆国を中心とした国際政治の展開をも視野に入れて考察した。 本年度は本研究計画の最終年度にあたることから、我々の研究グループがこれまでに行ってきた通り、過去3年間の研究成果を欧文の研究報告書『Mediterranean World 16』として刊行した。
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