研究課題/領域番号 |
10351002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 奈良国立文化財研究所 |
研究代表者 |
綾村 宏 奈良国立文化財研究所, 歴史研究室, 室長 (20000507)
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研究分担者 |
渡辺 晃宏 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 主任研究官 (30212319)
森本 晋 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 室長 (40220082)
永村 真 日本女子大学, 文学部, 教授 (40107470)
湯山 賢一 京都国立博物館, 学芸課, 課長 (00300690)
富田 正弘 富山大学, 人文学部, 教授 (50227625)
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キーワード | 古文書料紙 / 縦横の法量測定 / 厚さの測定 / 重さの測定 / 料紙・墨色の測定 / 測色計 / 渦電流式 / データの一貫性 |
研究概要 |
本研究は、古文書料紙原本の縦横法量、厚さ、重さと料紙・墨色の色調などの基礎的データを測定する機能を併せ持つ機器を製作することを意図した研究である。従来、各人がそれぞれの計器を使って行ってきた個別的なデータ収集でなく、単一の機器で各項目につき測定することにより、収集したデータの一貫性が維持され、収集データを誤差などを考慮することなく総合的に考察、分析できよう。10年度は、そのうち料紙の厚さ、料紙と墨色の色調の測走装置を装備した段階の機器を、機能面と使用面から検討考察を加えて、製作をした。最大の課題として、測定必要値精度を最大限維持するために機器の堅牢さをたもつことと、一体化した計器を古文書調査現場に携行して、調査現地で測定できるようにいかに軽量化する点の整合性にあった。重さ測定部位は、竪紙(和紙を漉いたときの一枚の紙の状態)一紙を測定するので、0.01グラムを基本単位とする必要があるが、その資料を載せる資料計量板は、資料の縦横法量を測定することにも対応する必要があるため、縦400、横600ミリのしっかりしたものが最低必要となり、その計量板に、重くても20グラムに満たない古文書料紙載せて計量することによる誤差を最小限にすることなどがある。また、色調を測る測色計は、当初計画の機種は重量が重く、携帯を考慮しつつ一体化製品のなかに組み込むには不適当と考え、軽量な機種に変更した。厚さ測定部位は、従来の検討成果を受けて渦電流式を採用した。以上当初計画から若干の変更があったものの、11年3月10年度製作予定分については、作業を完了し、その製品につき代表者・分担者による確認をした。11年度には、さらに法量測定機能などを付加する予定である。
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