研究分担者 |
加藤 俊宏 大同特殊鋼(株)技術開発研究所, 主任研究員
馬場 寿夫 NEC株式会社, 基礎研究所, 研究部長
堀中 博道 大阪府立大学, 工学部, 教授 (60137239)
吉岡 正和 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (50107463)
小早川 久 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50022611)
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研究概要 |
現在準備研究が進行中の電子・陽電子リニアコライダーの要求を満たす偏極電子ビーム(1ナノ秒幅に2×10^<10>個の電子をつめたバンチを2.8ナノ秒間隔で約100個連ねたマルチバンチビーム)の生成を目指して研究を進めているがつぎのような進展があった。 (1) サブナノ秒レーザー光の生成 現有の6ナノ秒幅レーザー光の中心部(≦1ナノ秒)のみの偏光面をポッケルスセルにより90度回転した後に偏光フィルターを通して切り出す方式を試験した結果目論み通りに1ナノ秒幅のレーザー光が生成できることを確認した。これを親パルスとしてダブルバンチレーザー光の生成にも成功した。 (2) 200keV偏極電子銃の作製 load-lock機構がアースレベルで操作できる新しいタイプの電子銃装置を作製した。セラミック,電子銃及びカソード表面活性化のための2つの超高真空チェンバー,高電圧電源,架台等の構成部分の作製が完了し,現在は電子銃チェンバーの真空試験を実施している段階である。肝心の200kV印加時における電界放出暗電流を10nA以下に抑える試験を実施できる時が射程圏内に入ってきたと言える。 (3) 新しい超格子構造フォトカソードの開発 すでに開発したInGaAs/AlGaAs超格子構造に代わる新しい組み合わせとしてGaAs/GaAsP超格子構造を開発し,偏極度≧80%,量子効率≧0.3%という良好な結果を得た。この超格子構造の限界を究める研究をさらに進める予定である。
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