研究課題/領域番号 |
10354007
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
深尾 昌一郎 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 教授 (30026249)
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研究分担者 |
山中 大学 神戸大学, 自然科学研究科, 教授 (30183982)
山本 衛 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助教授 (20210560)
橋口 浩之 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 助手 (90293943)
渡辺 明 福島大学, 教育学部, 教授 (70114006)
渡邉 伸一郎 三菱電機, 通信機製作所, 課長(研究職)
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キーワード | 大気レーダー / Lバンド / 可搬型 / 下部対流圏 / フェーズドアレイ / RASS |
研究概要 |
近年、音波レーダー、レーザーレーダーに加えて比較的小規模のレーダーを大気力学観測へ応用する実験的試みが世界的に行われている。レーダーは天候等に左右されず高精度かつ高時間/高度分解能で大気の動態を明らかにできる最も適したリモートセンシング法の一つである。境界層を観測するレーダーは特に「境界層レーダー」と呼称されており、国内数ヶ所でそれを用いた観測が行われているが、現在、もう少し大型で下部対流圏の重要部分をカバーするレーダーが必要とされている。本研究では下部対流圏全域を観測可能なLバンドの可搬型「下部対流圏レーダー」(LTR=Lower Troposphere Radar)を開発することを目的とする。 前年度までに、Lバンド下部対流圏レーダー(LTR)及びRASS(Radio Acoustic Sounding System)装置の製作が完了した。本年度は、これらをより完成度の高いものにするため、様々な改良を行った。従来、LTRのオンラインデータ処理のアルゴリズムは基本的にMUレーダーのそれと同じものを使用していた。MUレーダーは主に中層大気の観測を目的としたレーダーであるので、下層大気の観測を目的としたLTRに最適なアルゴリズムの開発を行った。特に低高度の観測を行なう場合にはクラッターエコーがしばしば観測の障害となるので、それをソフトウェア的に除去するアルゴリズムについて検討した。また、安定して下層大気の温度観測を可能とするため、RASSシステムの改良を行なった。 LTRは1年以上の期間、ほぼ連続してデータを取得できている。これらのデータを用いて、風速や乱流強度の日変化や季節変化について調べた。
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