研究分担者 |
石本 明生 積水化学工業(株), つくば研究所, 室長
勝浦 哲夫 千葉大学, 工学部, 教授 (00038986)
大中 忠勝 福岡女子大学, 人間環境学部, 教授 (20112716)
綿貫 茂喜 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (00158677)
安河内 朗 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (20136568)
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研究概要 |
快適な住居環境を開発するために、ヒトの緊張状態や休息状態を評価する上で有用な自律神経系の反応を指標として住居環境の構成要因の一つである香りの影響を検討した。用いた香りは14種類で、それらの香りを嗅いだ時の、心拍変動性と血圧変動をを分析した。その結果、自律神経活動を低下させる香りはラベンダーとローズマリーであることがわかった。 高齢者30名と若年者30名の住宅内の温熱調査を夏季、秋季、冬季に行った。各家庭の居間、脱衣室の温湿度を各季節において1週間にわたって測定した。また衣服調査をあわせて行った。夏季、秋季には年代間の差異は小さかったが、冬季では高齢者の家庭で低い室温であった。逆に、衣服量は高齢者で多く、高齢者は寒さを部屋を暖房する代わりに厚着をして凌ぐ傾向にあった。 照明の色温度が室内温度上昇時における温冷感と皮膚温に及ぼす影響と、日内変化による朝と夜の違いをみることを目的とした。色温度は、3000K,5000K,及び6700Kの3条件で、朝と夜のそれぞれにおいて室内温度は20℃から35℃まで上昇させた。その結果、温冷感と平均皮膚温の変化量のいずれも日内変化の主効果がみられ、朝の方が低い値を示した。温冷感において夜条件で色温度間に差がみられた。 4種類の気温および気流のゆらぎ制御条件と対照条件として一定制御条件に各々1時間暴露したときの主観評価(温冷感,快適感,気流感),皮膚血流量,心拍数,皮膚温,鼓膜温等を測定した。気温ゆらぎ制御は中心気温を26℃,27℃,28℃とし,中心気温から20分周期で±1℃変化させた。また,気流ゆらぎ制御は中心気流速度を0.65m/sとし,20分周期で±0.35m/s変化させた。快適感は中心気温28℃の気温および気流ゆらぎ制御条件で,最も高いことが示された。
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