研究概要 |
本研究で提唱するプラズマ CVM とは、低温でありながら電子的には非常に高いエネルギー状態にあるラジカルを、他に類を見ない大気圧以上の高圧力雰囲気下におけるプラズマによって励起し、これを材料と反応させることにより除去加工を行うものでる。高圧力下で発生するプラズマを利用することによって、極めて高密度のラジカルを生成することが可能}であり、また気体の平均自由行程が極めて小さいため、プラズマ発生領域を高電界が作用する電極近傍に限定できることから、機械加工に匹敵する加工能率と形状制御性を合わせ持つことができる。本研究では、ここで提唱するプラズマ CVM による、高能率超精密形状加工装置を実現化する上で必用不可欠な、(1)流体力学的な思考によるプラズマ部への高効率なガス供給と排出技術、(2)高圧力プラズマの低温化及び安定化技術、(3)高圧力プラズマ内での生成ラジカル種の制御技術、等の課題をプラズマ生成電極を高速で回転させるという独創技術によって確立し、従来機械加工でしか行なうことができなかった、数値制御による形状創成加工を行なうための、純化学的な原理にもとづく新しい加工システムを開発する。 本年度は本研究の目的を達成するために以下の項目を実践した。 1) 超高精度高速回転電極を用いたプラズマ CVM 形状加工装置の設計・製作を行った。 2) 微小加工ギャップ(10〜100μm)を一定にフィードバック制御するためのシステムの設計・試作を行った。 3) 加工速度,加工面粗さ、ならびに加工の空間分解能に大きな影響を与える、各加工パラメータ(加エギャップ,反応ガス組成,電極回転速度,基板温度,走査速度等)に関する基礎データを取得し、基板材料に対する最適加工条件を求めた。
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