研究分担者 |
梅田 和昇 中央大学, 理工学部・精密機械工学科, 助教授 (10266273)
大隅 久 中央大学, 理工学部・精密機械工学科, 助教授 (00203779)
青柳 誠司 関西大学, 工学部・管理工学科, 助教授 (30202493)
伊藤 寿浩 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教授 (80262111)
保坂 寛 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50292892)
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研究概要 |
本年度は,ナノトラッキング系,精密回転系,およびR/W系について,各要素の基本性能を測定した. 1.ナノトラッキングについては,まず,ヘッドを駆動するPZTマイクロカンチレバーの設計および製造プロセス開発を行った.3次元駆動に有利なT字型構造の考察,ゾルゲル法による薄膜作成法の改良により,レバー長0.5mm,ブリッジ長1mmで約1μm×1μmの駆動範囲を実現した.またカンチレバーのタッピングによるディスク面との距離計測法を研究した.弾性振動論を用いて衝突振動シミュレーションを行うとともに,3角測量式レーザ変位計を用いた実験により理論の妥当性を確認した.またカンチレバーのマルチ化によるトラッキング負荷低減法を検討し,カンチレバー間の力学的振動干渉を解析した. 2.回転系については,まず,ナノメモリ回転系のベースとなる,現用ハードディスクおよびDVDにおける回転系の動特性を測定した.ナノメータ精度の振動測定装置を構成し,ディスク回転数,直径を変えて,ディスクの回転同期,非同期振動を測定し,データを蓄積した.また,ディスクの回転同期振動は正弦波で,非同期振動はランダム波でモデル化し,さらにカンチレバーの空気抵抗,内部摩擦,支持点損失を考慮した振動方程式を導出し,カンチレバーに励起される振動を推定した. 3.R/W系については,将来のナノメモリ用ヘッドと類似の光学構造をもつ走査型近接場光学顕微鏡を用いて,微小データピット再生模擬実験を行った.媒体としては,ガラス板にクロムを200nmピッチで縞状に蒸着したものを用いた.顕微鏡プローブと媒体の相対位置を種々変化させて透過光量を測定し,それらの関係を簡単な実験式にまとめた.以上により,プローブ開口φ70nm,プローブ媒体間隙間40±10nm,トラック誤差で±20nmで,φ200nmのピットを再生可能なことを示した.
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