研究概要 |
1.同軸噴流の混合制御 フラップ型アクチュエータを外側ノズルの内側壁面に設置した同軸噴流空気ノズルを試作し,流れの可視化,LDVによる流速測定,および,アセトン蒸気を色素紫外レーザーにより励起するLIFを用いた濃度計測を行った.レイノルズ数は2000程度であり,非制御時において混合の程度は小さいが,制御を行った結果,フラップの動作によって,同軸噴流の3次元渦構造が大きく変化し,動作周波数を適切に選んだ場合には,混合が著しく促進されることを示した.平均濃度分布,濃度確率密度分布の検討から,最適な無次元動作周波数(St=0.9)では混合が極めて良好に促進されることを明らかにした.一方,本計測で試作した空気流ノズルでは,レイノルズ数,内側・外側噴流の速度比が同じにも関わらず,昨年度検討を行った水流ノズルに比べて制御効果が小さく,逆流域が存在しないことを示した. 2.同軸噴流燃焼場の能動制御 メタンを内側流体とする同軸噴流燃焼場を形成し,等温流と同様のノズルにおいて制御効果の検討を行った.その結果,自然噴流で火炎が存在できる流速比の小さな場合,混合に最適な周波数(St=0.9)によって,浮き上がり火炎の基部が安定化することを明らかにした.また,この制御入力のもとでは,流速比4程度まで火炎が安定化し,アクチュエータによる制御により保炎効果を向上させる可能性を示した.
|