研究課題
本年度の大きな進展は、本研究の目的である35GHz帯におけるパッシブイメージングに成功したことである.以下に、交付申請書記載の研究実施計画に沿って、実績の概要を記す.1.ミリ波結像用光学系:光線追跡法で設計した非球面レンズを製作(ポリエチレン製)し、焦点距離、収差などについて、35GHz帯のパッシブ検出系により測定し、設計通りの性能を有していることを確認した.2.アンテナ系:本研究にて考案したフェルミ型テーパースロットアンテナ(コルゲイション付き)について、FDTD法による解析を行い、諸特性特に入力インピーダンス特性を明らかにした.なお、本アンテナ形状については2件の特許を申請中である(我が国および米国).3.検出回路系:(1)低雑音・高利得増幅器について、市販のMMICを用い、利得40dB、NF(雑音指数)7dBの4段増幅器の設計、製作に成功した.(2)増幅器後段の検出回路について、パッシブイメージングに必要な広帯域回路を設計し、8GHz(23%)という所望の値を得ることに成功した.4.上の成果を基に、機械的走査法を併用してイメージングを行い、外景また人体(顔部)をイメージングすることに成功した.外景に関しては、空、約200m先の建物、木などの識別が出來、ミリ波に於ける放射温度の測定に成功した.この各種物体の放射温度の測定は、この分野のデータベースとして極めて貴重なものであり、今後も測定を続けて行く予定である.
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