• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

人間の内耳基底膜と等価な構造を有するマイクロセンサ・アクチュエータの研究

研究課題

研究課題/領域番号 10355018
研究機関東京大学

研究代表者

安藤 繁  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70134468)

研究分担者 原田 宗生  住友金属工業, デバイス技術室, 副主任研究員
篠田 裕之  東京農工大学, 工学部, 助教授 (40226147)
来海 暁  東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (30312987)
キーワード聴覚センサ / 知能化センサ / 聴覚モデル / マイクロマシニング / AM-FM検出 / Fishbone構造 / 時間周波数分解 / 補聴器
研究概要

本研究は、Fishbone構造を用いたセンサ/アクチュエータ機構の実用レベルへの展開を目的とする。Fishbone構造とは、人間の蝸牛基底膜と等価な構造をシリコン基板上に平板振動構造として実現する、知能化マイクロフォンの基本構造を指す。本研究の具体的な応用ターゲットとしては、a)音声認識のための知能化マイクロフォン、b)適応的周波数補償を行う補聴器、を想定している。
前年度までに1)Fishbone構造の理論的検討、シミュレーションおよびそれらに基づく設計パラメータの導出、2)振動検出素子を埋め込んだFishbone構造のマイクロマシニングによる試作、3)試作品の動作確認、および補聴器を想定した電流加算型周波数特性可変フィルタの作成、を行ってきた。これを承けた本年度の成果は以下の通りである。
1.高効率エネルギー伝達のための最適Fishbone構造の設計
Fishbone構造における周波数分解機能の対数線形性を満足しつつ、音響振動のエネルギーを各共振子に高効率で伝達する構造を機械-電気アナロジに基づいて考察し、その解として各共侵子の抵抗要素が一定でインダクタンス・キャパシタンス要素が対数線形となる構造を導いた。
2.Fishboneセンサ出力からのAM-FM特徴抽出理論の構築
Fishbone構造の応用を想定し、各共侵子の出力であるサブバンド信号から、人間の聴覚特性と関係の深い音声信号のAM-FM成分およびピッチ成分を実時間で抽出する理論を構築し、計算機レベルで検証を行った。
3.Fishboneセンサの応用による単耳音源定位センサの実現
Fishbone構造の具体的応用例として、反射板によって生じるマイクロフォン入力の干渉スペクトルの極小点が音源の方向によって移動する性質を利用した単耳音源定位センサシステムを、シリコンFishboneセンサと対数螺旋形反射板を用いて試作し、実験により動作を確認した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 小野、安部、安藤: "対数微分分解に基づく音響センシング(I) : サブバンドAM-FM変動の基底波形分解に基づく特殊抽出法"電気学会論文誌. 119-E,10. 498-505 (1999)

  • [文献書誌] 安部、安藤: "共有FM-AMの時間周波数統合に基づく聴覚情景解析(I)-Lagrange微分特徴量とその周波数軸統合-"電子情報通信学会論文誌. J83-D-II,2. 458-467 (2000)

  • [文献書誌] 安部、安藤: "共有FM-AMの時間周波数統合に基づく聴覚情景解析(II)-最適な時間軸統合とストリーム音の再合成-"電子情報通信学会論文誌. J83-D-II,2. 468-477 (2000)

  • [文献書誌] N. Ono, M. Abe and S. Ando: "AM-FM extraction based on logarithmic differential decomposition"Proc. 1999 IEEE Third Workshop on Multimedia Signal Processing. 233-238 (1999)

  • [文献書誌] 小野、安藤: "AM-FM信号の零点解析に基づく調波成分分離の理論と実験"第38回計測自動制御学会学術講演会予稿集. 637-638 (1999)

  • [文献書誌] 荒木、日下部、小野、安藤: "蝸牛基底膜を模擬したfishbone音響センサの最適検出構造とその実験"第38回計測自動制御学会学術講演会予稿集. 171-172 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2012-10-31  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi