研究分担者 |
熊谷 直和 大機エンジニアリング, 研究開発部, 部長
嶋村 和郎 三井造船, つくば研究センター, 主任研究員
幅崎 浩樹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50208568)
川嶋 朝日 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50005964)
浅見 勝彦 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20005929)
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研究概要 |
1. 海水電解用水素生極:アークイオンプレーティングで作製したNi-Mo-O電極が極めて高い水素発生に対する電極反応活性と耐久性を示し,その要因について検討した.電極中の酸素量が過剰になると酸化物奪形成し,活性が低下するので,Ni-Mo合金に固溶する程度の5-10at%が最適であった.この酸素を添加したNi-Mo-O膜はポーラスであり,高い表面積を有することおよび酸素が固溶することでニッケルの電子状態が変わり,反応を律速しでいる吸着水素の脱離を促進することで活性が向上していることが明らかとなった. 2. 海水電解用酸素発生極:これまでに得られているアノード電着法で作製したマンガン-タングステン酸化物陽極の塩化ナトリウム溶液中での酸素発生効率をさらに改善するために,マンガン酸化物にタングステンとモリブデンを複合添加した酸化物陽極を作製した.その結果,タングステン量によらず,少量のモリブデンの添加により0.5MNaCl中における1000Am^<-2>の定電流電解において酸素発生効率は100%となった.タングステンを含まないマンガン-モリブデン酸化物陽極も100%の酸素発生効率を示したが,電解時の過電圧はマンガン-モリブデン-タングステン酸化物陽極のほうが小さくなることがわかった. 3. 二酸炭素のメタンヒ触媒:アモルファスNi-Zr合金から得られるNi/ZrO_2触媒中の正方晶ZrO_2を安定化し,活性の向上をもたらす合金へのサマリウムの添加と同様の効果を期待して,サマリウムよりも安価なミッシュメタルのNi-Zr触媒への添加効果について調べた.サマリウム添加には及ばないものの,ミッシュメタルの添加もNi一Zr触媒の活性向上に有効であった.また,Ni-SmやNi-ミッシュメタル触媒もNi-Zr触媒と同等の活性を持ち,サマリウムやミッシュメタルの酸化物もジルコニアと同等に二酸化炭素のメタン化用触媒の担体として働くことがわかった.
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