研究分担者 |
嶋村 和郎 三井造船, つくば研究センター, 主任研究員
幅崎 浩樹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50208568)
川嶋 朝日 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50005964)
熊谷 直和 大機エンジニアリング, 研究開発部, 部長(研究職)
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研究概要 |
海水電解用水素発生極として,電着法によりNi-Fe-C電極についで検討した。ニッケルに炭素を添加すると,水素発生の過電圧が低下し,活性が向上することが明らかとなった。ただし,カソード分極曲線におけるターフェル勾配には変化が見られず,水素発生のメカニズムには変化がないことが窺われた。ニッケルに鉄を添加しても水素発生の活性は向上し,さらに炭素を添加すると,大幅な活性の向上と耐久性の改善が認められた。したがって,ニッケルに鉄と炭素を添加した合金を電着法という安価な方法で作製することにより,優れた活性と耐久性を備えた水素発生電極が得られることが明らかとなった。 海水電解用酸素発生極として,アノード電着によりマンガン-モリブデン-タングステン酸化物を酸化イリジウム被覆チタン基板上に作製した。この電極はマンガン-モリブデン酸化物電極と同様のほほ100%の酸素発生効率を示し,さらに,酸素発生の活性もマンガン-モリブデン酸化物電極より高いことが明らかとなった。また,耐久性は90℃という高い温度で電着を行って電解中に溶解しない電極とし,さらに盛んに酸素発生が電着中に起こる条件で繰り返し電着を行うことにより剥離しにくい高耐久性電極が得られることが明らかとなった。 二酸化炭素のメタン化用アモルファス合金触媒の作製のために,大量生産に向いたガスアトマイズ法によりNi-ZrおよびNi-Zr-Sm合金を作製した。Ni-Zr合金の場合,単ロール法で作製したリボン状合金と異なり,緻密な酸化スケールが表面に生成して,均一にニッケルがジルコニアに分散した触媒が得られず,高活性は得られなかったが,サマリウムを添加することで酸化は加速され,単ロール法で作製した試料とほぼ同様に高活性な正方晶ジルコニア担持ニッケル触媒が得られた。
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