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2000 年度 実績報告書

粉末粒子の自由配列により極低欠陥で超高強度の精密セラミックスを得る高速遠心成形法

研究課題

研究課題/領域番号 10355030
研究機関広島大学

研究代表者

黒木 英憲  広島大学, 工学部, 教授 (80037853)

研究分担者 鈴木 裕之  広島大学, 工学部, 助手 (90284158)
佐々木 元  広島大学, 工学部, 助教授 (30192595)
篠崎 賢二  広島大学, 工学部, 助教授 (70154218)
深谷 保博  近畿大学, 工学部, 教授 (40268454)
田島 俊造  広島大学, 教育学部, 助教授 (40136130)
キーワードアルミナ / WC / 低欠陥 / 欠陥除去機能 / 成形性 / 着肉速度 / 高強度
研究概要

本年度の研究では,昨年度までの研究に引き続き高速遠心成形法(以下HCPとする)における成形条件と成形体特性の関係を明らかにするとともに,それらが焼結体の特性におよぼす影響を確認した.また,昨年度までとは異なるアルミナ粉末を使用して成形焼結を行い,昨年までの結果と比較することで,研究の検証を行った.さらに,アルミナでの結果を踏まえて高速遠心成形によるWC材料の作製も行っている.
昨年度までの結果を踏まえて,本研究の結果を以下に総括する.
(1)HCPの成形原理は加圧鋳込み成形法のそれと基本的に異なるため,本質的に鋳込み法よりも成形速度が速い.その成形速度は,ロータ回転数の2乗にに比例して増加すると共に,泥漿初期濃度の影響を受けないため,薄目の泥漿をより高速で成形することで,成形効率を上げることが出来る.なおHCPの着肉速度は修正したKynchの理論により定量的に予測できる.
(2)ロータ回転数が速いほど,成形体の粒子充填率は上昇し,また泥漿中の欠陥をより分ける力が大きくなる.従って,出来るだけ速いロータ回転数で成形することで,短時間に緻密で低欠陥の成形体が得られることになる.
(3)HCPアルミナの機械的特性が優れるのは,組織が緻密で微細なことに加えて,低欠陥であるためである.他のアルミナとの特性の比較より,HCPアルミナは現存するアルミナ焼結体のうちで,最も欠陥が少ないものの一つと考えられる.
(4)上に示したHCPの様々な特徴は,WC微細粉末の成形においても発揮される.ヘプタンを分散媒とした泥漿により,短時間の成形で緻密な成形体が得らる.またこの成形体はCo等の助剤を添加なしでもほぼ100%まで緻密化し,そのビッカース硬さはHy2300と非常に高い.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 鈴木裕之: "高速遠心成形法の成形機構(第一報)-成形途中における泥漿の観察-"日本セラミックス協会学術論文誌. 109巻. 137-142 (2001)

  • [文献書誌] 鈴木裕之: "高速遠心成形法の成形機構(第二報)-粒子の沈降速度および着肉速度の定量的な検討-"日本セラミックス協会学術論文誌. 109巻. (2001)

  • [文献書誌] H.Y.Suzuki: "Effect of Slip Condition on Compacting Kinetics of High-Speed Centrifugal Compaction Process"Proceeding of 2000 Powder Metallurgy World Congress. (2001)

  • [文献書誌] H.Y.Suzuki: "Effect of High Centrifugal Force on the Properties of Green Compacts Made by High-Speed Centrifugal Compaction Process"Proceeding of 2000 Powder Metallurgy World Congress. (2001)

  • [文献書誌] 鈴木裕之: "高速遠心成形アルミナの焼結挙動と機械的性質におよぼす粉末特性の影響"粉体および粉末冶金. 47巻. 866-873 (2000)

  • [文献書誌] 鈴木裕之: "高速遠心成形法と加圧鋳込み法によるアルミナ成形体の浸液透光法観察"粉体および粉末冶金. 47巻. 874-881 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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