研究課題/領域番号 |
10355033
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
今坂 藤太郎 九州大学, 工学研究科, 教授 (30127980)
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研究分担者 |
野田 廣 島津製作所, 環境計測事業部, 技術部係長
平川 靖之 九州大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80238344)
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キーワード | 超音速分子ジェット分光分析 / 多光子イオン化 / 質量分析 / 塩素置換芳香族化合物 / ダイオキシン / ポリ塩化ビニル / オンライン分析 / リアルタイム分析 |
研究概要 |
本研究では、分布帰環型色素レーザーを開発し、170ps、0.01nmの光パルスを発生させ、モノクロロベンゼン及びジクロロベンゼンの測定を行った。その結果、1.4nsのパルス幅を持つレーザーより1.7-3倍程度高感度な測定が行えることがわかった。多数塩素置換したダイオキシンを分析した場合には、通常のナノ秒レーザーを用いた場合より、20倍程度高感度に分析できることを明らかにした。 質量分析装置の高感度化を図るため、SIMIONソフトウェアを用いて、イオンの集束状態を改善する方策について検討した。その結果、イオン化部分を覆うリング電極と二重構造のスキマー電極からなるリング・ダブルスキマー型電極アセンブリーを用いる方式を考案した。この新しい方法によれば、生成したイオンを効率よく検出部に収束できるのみならず、二段加速方式により質量分解能を改善できることも明らかにした。現在、本方式に基づく飛行時間型質量分析装置を製作中である。 本研究では、ダイオキシン生成過程を明らかにするために、触媒である塩化銅共存下で、各種クロロフェノールを加熱し、どのようなダイオキシン化合物が生成するかを調べた。その結果、1及び2塩素化ダイオキシンが発生することを確認した。また、生成するダイオキシンは、反応式から容易に予測されるようなものではなく、Smile転移などが起こることも確認した。 本研究では、焼却炉から排出されるダイオキシンのオンサイト・リアルタイム分析を可能にするため、焼却炉メーカー及びダイオキシン測定企業等と連携し、各種の調査・シンポジウム・協議を行った。現在、産学官の連携を元にしたプロジェクトの立ち上げに力を入れている。
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