研究課題/領域番号 |
10355039
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
資源開発工学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井澤 英二 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50037751)
|
研究分担者 |
緒方 靖哉 九州大学, 生物資源環境科学研究院, 教授 (20038277)
曽 南石 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20294887)
渡辺 公一郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (10182916)
和田 信一郎 九州大学, 生物資源環境科学研究院, 助教授 (60108678)
横山 拓史 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (20136419)
|
研究期間 (年度) |
1998 – 2001
|
キーワード | イモゴライト / 珪酸質沈殿物 / イエローストーン / シリカスケール / アルミニウム / NMR / 微生物-アルミ-シリカ / イオンの吸着現象 |
研究概要 |
本研究は地球表層水に溶存しているアルミの性質や濃度を制御する方法を開発するために企画され、アルミとシリカあるいは微生物との間の反応機構を理解するデータを得ることに努めた。得られた主な成果は次のとおりである。 1.土壌中のアルミの固定に重要な役割を持つイモゴライトの生成条件について、土壌溶液中に共存するCa、Na、Clイオンの効果を求めた。また、溶解度と生成の自由エネルギーを測定した。 2.イエローストーンの珪酸質沈殿物から、DNA分析によって微生物の優先種としてThermus属が存在することを見出した。珪酸質沈殿物から著量のアルミが検出され、NMRによる化学状態の検討から6配位のアルミの存在が確認された。 3.地熱発電所のシリカスケールより分離したThermus sp. TMY株は、400ppm以上の過飽和シリカ含有TM液体培地で培養するとSilica induced protein (Sip)と命名した誘導性膜タンパク質が著量産生されることを見いだした。 4Thermus sp. TMY株の菌体増殖はアルミ濃度に比例して阻害され、特に200ppm添加した培養液では、無添加の場合と比較して約40%低下した。しかし、100ppm添加した培養液で培養したTMY株の菌株を、アルミ添加培地に移し替えたところ、菌体増殖阻害が軽減化され、Al-toleranceを示す事が分かった。一方、シリカ溶存培地中では、アルミ単独添加の培養と比較して、菌体増殖が増大した。これらの結果は、シリカとアルミイオンはTMY株に対する影響を互いに抑制し合うことを示している。 5.微生物-アルミ-シリカの相互作用を解明するため、陽イオン交換樹脂(BioRex70)とキレート樹脂を用いたモデル実験を行った。NMRによって結合状態を判定した結果、シリカの割合が増加することによって4配位のアルミが増加することが分かった。
|