研究課題/領域番号 |
10357001
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
久場 健司 名古屋大学, 医学部, 教授 (60080561)
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研究分担者 |
武部 紘二 株式会社ニコン, 技術工房, 研究員
中山 晋介 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30192230)
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キーワード | 全方位蛍光集光2光子励起レーザー顕微鏡 / カゴメ化合物活性化 / カエル運動神経終末 / ライアノジン受容体 / 細胞内Ca^<2+>遊離 / 開口放出 / 短期可塑性 / ウシガエル交換神経節細胞 |
研究概要 |
1) 全方位蛍光集光2光子励起レーザー顕微鏡の開発:一方向からの超短パルスレーザーの走査と2対の対物レンズと光電子倍増管による蛍光測定によるシステムの設計を終了し、(株)ニコンインステックで試作中である。又、一つの対物レンズ(1)と光電子倍増管による集光ともう一つの対物レンズ(2)により集光した蛍光を、反射鏡により同レンズ及び試料と対物レンズ(1)を通して、試料からの直接の蛍光と合わせて光電子倍増管により測光するシステムを考案し、これは、次年度に製作に取りかかる予定である。 2) 2光子励起による点領域でのカゴメ化合物活性化光学系の設計製作と応用:カバーグラス上の溶液中とウシガエル交感神経節細胞内でのCa^<2+>カゴメ化合物の活性化による細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]_i)上昇を記録した。 3) ニューロン内Ca^<2+>動態の解析:カエル運動神経終末のライノジン受容体を介する細胞内Ca^<2+>遊離機構が、比較的低頻度(1〜10ヘルツ)の刺激によりプライミングされ、更なるCa^<2+>の流入により活性化され、自発的のみならずインパルスによる伝達物質の放出を数10倍に増強することが解った。この増強は、開口放出部位の[Ca^<2+>]_iの残存により起こるFacilitaion,高感度のCa^<2+>受容体を介するAugmentationやPotentiation等の短期可塑性の促進のみならず、遊離したCa^<2+>が開口放出に直接関与することが示唆された。更に、ウシガエル交感神経節細胞で、細胞膜の興奮によるCa^<2+>の流入により細胞膜直下で、Ca^<2+>遊離が起こり、活動電位の後電位の発生に寄与し、細胞膜の興奮により核膜胞からもCa^<2+>が遊離され、[Ca^<2+>]_i上昇が核内をCa^<2+>誘起性Ca^<2+>遊離により伝播することが発見された。
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