研究課題/領域番号 |
10357002
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長嶋 和郎 北海道大学, 医学部, 教授 (50010377)
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研究分担者 |
田中 伸哉 北海道大学, 医学部, 助手 (70261287)
澤 洋文 北海道大学, 医学部, 講師 (30292006)
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キーワード | JCウイルス / 転写調節領域 / ウイルス受容体 / veast two hybrid system / 神経組織特異性 |
研究概要 |
進行性多巣性白質脳症はJCウイルスによって生じる。ヒト腎臓に無症候性に潜伏感染しているJCウイルス(原型)は、免疫不全状態に陥ると、その転写調節領域の塩基配列に欠損や挿入などの変異が起こりゲノムの構造が変化して、神経組織内で著しい増殖を示すPML型となる。JCウイルスの神経組織特異的な病原性に関して、我々はウイルスの転写調節およびウイルスの受容体と2つの側面から研究を行っている。転写調節に関しては、現在全国から集積された多数の脳炎・脳症の組織から、JCウイルスを分離し、その転写調節領域および外郭蛋白のsequenceを行い、核酸配列の変異と病的意義について発表した。またHTLV-I感染者において、免疫不全状態でないにも関わらず、JCウイルスが脳組織で増殖しPMLを発症した症例が報告されている。この原因として、HTLV-Iのtax分子がJCウイルスのプロモーターを亢進させる事を見出した。ウイルスの受容体の研究として、発現クローニングおよびyeast two hybrid systemによる受容体の単離を試みている。発現クローニングを行うにあたり、我々はすでに、JCウイルスを構成する外郭蛋白VP1を発現ベクターに組み込み、COS細胞で発現させることによって、ウイルスゲノムを含まない偽ウイルス粒子の産生系を確立した。またyeast two hybrid systemに関してはJCウイルスの外郭構造蛋白であるVP1のDNAをGal4 DNA binding domainを持つvectorであるpGBT9にsubcloningして、sequenceを行いflame shiftの有無をcheckした。このvectorをBaitにして、Gal4 activation domainを持つvectorであるpACT2に挿入されたヒトbrainのcDNAライブラリーをスクリーニングすることを試みている。後期転写因子活性を迅速に測定するGFP-vectorを開発した。
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