研究分担者 |
中村 文隆 東京大学, 医学部, 助手 (20261969)
東丸 貴信 日本赤十字社医療センター, 部長 (60180163)
申 偉秀 東京大学, 保健管理センター, 助手 (10211971)
上原 誉志夫 東京大学, 保健管理センター, 講師 (40184965)
阪本 英二 国立循環器病センター, 室長 (40291067)
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研究概要 |
筆者らは当初の予定通り心筋症遺伝子の解析を積極的に推進し、新たに幾つかの遺伝子異常を見つける事ができた。更に興味有る事に同一の患者で複数の異常を有する場合も散見された(厚生省特発性心筋症調査研究班で報告)。これと突然死との関連は詳細な家族歴から検討中である。また従来の心筋症について最も正確に形態診断が可能なMRIを用いて、その病態が徐々に変化し、一時点のみの形態診断と遺伝子型との対応には慎重を期す必要が有る事も判明した(Suzuki J.et al.,J.Am.Coll.Cardiol.33:146-51,1999)。現在検査対象数を増やすべく、当初の協力施設の北大、九大以外の諸大学にも協力を呼びかけている。また北大からは血液サンプルの他に心筋生検材料の提供が有り、これが全国レベルで拡大すれば予定以上の成果が期待される。 なお、動物レベルではあるが、遺伝子治療が確実に進歩し、筆者らはモデル動物の心筋症ハムスター(BIO 14.6)の責任遺伝子の欠失、またin vivoで生体内の心筋細胞内に多種の遺伝子を強制発現させうる事を既に報告した。今回、BIO 14.6の左室心筋内に正常の遺伝子を導入して蛋白を強制発現する事が確認された(Kawada T.et al.,J.Card.Failure,In press)。今後の遺伝子治療を開発する上で非常に有用と期待される。更に効率の良い、長期間発現可能なベクターを開発して上記遺伝子治療を発展させる予定である。
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