研究課題/領域番号 |
10357010
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山岡 義生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90089102)
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研究分担者 |
西河 芳樹 ノバルティスファーマ社, 取締役研究開発本部長
山本 孝史 農林水産省, 家畜衛生試験場・細菌寄生虫病研究部, 部長
山内 清明 京都大学, 医学研究科, 助手 (00291427)
猪飼 伊和夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (60263084)
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キーワード | 人工肝臓 / IgY / 体外異種肝灌流 / DAF / レトロウイルス |
研究概要 |
1) 異種抗原α-Galに対する鶏卵抗体(IgY)のブロッキング抗体としての効果を検討するために、ラット肝摘出時にIgYを血管から投与したところ、IgYの血管内皮細胞への沈着は確認できたが、異種灌流によるヒト自然抗体あるいは補体の血管内皮への沈着は抑制できなかった。IgYの前投与だけではこれらの沈着を抑制するには不十分である可能性があり、現在IgYの投与法などについて検討中である。 2) 正常ヒヒにブタ肝体外灌流を行ったところ、5〜6時間で溶血が著明になり、6時間以上灌流したヒヒは腎不全により死亡した。6時間以内の灌流では全例(n=4)に灌流後に遷延する貧血が認められたが、1ヶ月後にはほぼ灌流前の値に回復した。溶血の原因としてブタ肝から産生される補体などが考えられた。またこれら4頭のヒヒに対して灌流後6ヶ月間採血を行い、B cell、T cellなどの免疫細胞が活性化されていないことを確認した。今後同一のヒヒに2回目のブタ肝灌流を行い、ヒヒ側の反応を免疫学的に検討していく予定である。 3) DAFブタ飼育施設のノバルティスファーマ社から搬入したWild-typeブタの肝臓を用いて正常ヒヒと体外灌流を行い、これまでの実験で用いてきたブタと同様のデータが得られた。今後DAF遺伝子導入ブタを用いてヒヒの体外異種肝灌流を行い、ブタ肝の傷害、ヒト補体の沈着などを検討していく予定である。 4) ブタ肝臓を用いて3時間から6時間異種体外灌流を行った4頭のヒヒに対して灌流後、1日、1週間、1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月目に採血を行い、分離したリンパ球から抽出したDNAについて現在PCRを用いてブタ内因性レトロウイルスの感染の有無について検討中である。
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