本年度は研究の最終年度にあたり、虚血心筋の心磁の特徴を抽出した周波数変化、電流分布変化、さらに興奮伝搬の変化を解析し、虚血心筋部位の解析法を確立した。 狭心症の虚血心筋の電流分布の不均一性を心磁で画像化できた。これにより、川崎病で、安静時心電図で異常を示さないが冠動脈造影検査で冠動脈に有意狭窄を伴う症例があることを初めて報告した。 磁気共鳴画像の画像計測データを用い、ボリュームレンダリング処理により心筋の抽出および3次元構築を行なった。さらに心磁計測装置の生体位置決め装置の精度を1cm以内に向上させ、心臓磁場から3次元的に推定した心筋虚血部位を磁気共鳴画像の形態情報に重ね合わせることが可能となった。 虚血性心疾患の治療効果、予後判定法を確立するまでには、至らなかった。
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