研究課題
基盤研究(A)
動脈瘤用コイルの開発塞栓部分のコイル長を自由に変更できる可変長式コイルを開発してきている。コイルは5個のコイル小片とこれらの小片を切り離し可能にするように各接続部位にポリビニルアルコール性のチューブで接合した。一方コイルを動脈瘤内に誘導するためのカテーテル先端部分に金属の輪を取り付けカテーテル壁に伝導線をはわせた。これで金属先端部を単極とした高周波発生装置の付いたカテーテルとなる。プロトタイプを作製し実験を行った。コイル小片間を接合していた接合部に生理食塩水中でIECDに5W以上の電流を流した。電流を流すと同時に瞬間的に先端コイル小片は離脱した。ついで隣接する接合部をカテーテル先端部と切り離す実験を行い簡単に離脱することを確認した。先端コイルは白金製できわめて柔軟に作製してあり、すでに臨床治験で動脈瘤に対して有効であることが判明している。コイルならびにこれの出し入れに使用するガイドワイヤーは外径は3フレンチのカテーテルを通過する径で、全長185-200cmとした。このプロトタイプの離脱型コイルを10本作製し離脱時間、離脱に要する出力を検討した。場合によって隣接部の接合が離れることがあり、カテーテル内部への電流の流れが問題となった。これからの改良点として、コイル小片とこれに連続したガイドワイヤーの表面の被覆が重要であり、通電中でもカテーテル内部での電気抵抗が高まるようにする必要性がある。また今後コイルによる塞栓術の問題点として、動脈瘤内でのコイルの圧縮縮小化、動脈瘤の再開存の問題や、コイル形状に個々の動脈瘤の形状にうまく合致するように細工すること等が明らかになってきているので改良を更に追加する。
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