研究課題
実験1.動脈瘤用コイル塞栓部分のコイル長を自由に変更できる可変長式コイルこれまで場合によって隣接部の接合が離れることがあり、カテーテル内部への電流の流れが問題となっていた。コイル小片とこれに連続したガイドワイヤーの表面の被覆を改良し通電中でもカテーテル内部での電気抵抗が高まるようにしたところ、カテーテル先端から押し出されたコイル小片のみが瞬間的に離脱されるようになった。個々の動脈瘤形状にあった形状記憶合金ナイチノール製のコイル予備的実験として柔軟性、生体適合性を検討した結果、白金製のコイルと比較して遜色のないものであった。また、白金製コイルに比較して引っ張り試験で永久歪みが起こりにくく、血栓形成性は高かった。しかし、造影性が低いことが問題となっており更に改良が必要である。実験2.脳動脈瘤、動静脈奇形塞栓用液体材料常温で2-シアノアクリル酸のエステル部分に直鎖または分岐の炭素数8〜20の飽和アルキル基、具体的には、側鎖を特に好ましいC18のイソステアリル基としたもの(イソステアリルシアノアクリル酸:ISCA)を合成し、硬化時間、粘性、接着性などを検討した。ISCA単独では硬化時間は長かったが、塞栓用液体物質として多用されている接着性の強い側鎖がn-ブチル基のn-ブチルシアノアクリル酸(NBCA)と混合することにより、硬化時間は短縮され、粘度、接着性も適度なものとなった。実験3.表面被覆血管内ステントバルーン拡張型のステンレス製のステント(長さ3cm、拡張後3mm径)に表面コーティングを行っている。ステンレスステント上にポリアクリル酸をグラフトしアルガトロバンを表面に化学的に吸着させる。ステント1本あたりの担持アルガトロバン量は平均150-200μmで、除放期間は2-3日程度であった。
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