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1999 年度 実績報告書

レーザースッペクルによる臨床眼血流測定装置の実用化及び臨床研究への応用

研究課題

研究課題/領域番号 10357016
研究機関東京大学

研究代表者

新家 眞  東京大学, 医学部・附属病院, 教授 (00092122)

研究分担者 藤居 仁  九州工業大学, 情報工学部, 教授 (70133775)
永原 幸  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (50262134)
キーワードレーザースペックル / 血流速度 / 組織血流量 / 臨床応用 / 視神経乳頭 / 脈絡膜 / 網膜血管
研究概要

従来のレーザースペックル試作機を簡便に臨床で使用するために、ハードとソフトの新たな開発を行った。さらに動物実験で以下の点について本装置の生体に対する安全性を確認し、人眼での網膜静脈血流速度の測定を行い、従来の報告との比較検討を行った。
(1)血流測定時のレーザー光線は角膜から水晶体を経由して網膜面上に照射されるが、眼球運動などによりレーザーが虹彩面上に照射されることが想定される。有色家兎を用い、レーザー(808nm)照射による虹彩の組織障害を前房蛋白濃度の変化を捕らえることによって検討した。前房蛋白濃度の測定方法はレーザーフレアセルメーター(興和FC1000)を用いて行い、レーザー出力(1.2〜1.8mW)、照射面積(0.0287〜0.77mm^2)を変化させ、照射前後の前房蛋白濃度の定量的指標であるフォトンカウント値を測定した。生体に対する安全基準としてANSIに規定されている皮膚の最大許容照度(mW・cm^<-2>)を基に求めた照射面積0.0287mm^2におけるレーザーの連続照射時間は1.5mWで35秒である。実験では安全性の確認のため連続照射時間を5分に設定した。照射面積0.0287mm^2、レーザー出力1.5mWの設定でレーザー照射前後のフォトンカウント値の平均値は照射前12.58±2.06、照射15分後13.46±1.87(平均±標準偏差)で有意な変化は認められなかった。他の設定においても前房蛋白濃度の変化ほとんどは認められないことから、本装置の虹彩に対する安全性については問題ないものと考えられた。
(2)本装置の人眼における定量性と再現性について検討した。測定した網膜静脈の平均血管径は150μm、平均血流速度は18.4±3.8mm/sec(平均±標準偏差)、再現性指数は3.6±0.9%であり、血流速度は従来の方法での同一径静脈で得られた値にほぼ一致していた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Miyuki Nagahara: "Real-time blood velocity measurements in human retinal vein using the laser speckle phenomenon"Japanese Journal of Ophthalmology. 43(3). 186-195 (1999)

  • [文献書誌] 新家 眞: "レーザースペックル法による生体眼循環測定-装置と眼研究への応用-"日本眼科学会雑誌. 103(12). 871-909 (1999)

  • [文献書誌] Miyuki Nagahara: "Effects of scleral buckling and encircling procedures on human optic nerve head and retinochoroidal circulation"British journal of ophthalmology. 84(1). 31-36 (2000)

  • [文献書誌] 永原 幸: "臨床応用可能な網膜血流測定法"血管と内皮. 9(4). 56-67 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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