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1999 年度 実績報告書

レーザーを用いた歯科用光断層撮影(CT)装置に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10357017
研究機関東北大学

研究代表者

堀内 博  東北大学, 歯学部, 教授 (00013962)

研究分担者 石幡 浩志  東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (40261523)
飯山 正夫  東北大学, 歯学部, 助手 (00193152)
遠藤 英昭  東北大学, 歯学部, 助手 (80168830)
稲場 文男  東北工業大学, 教授 (90006213)
荘司 佳奈子  東北大学, 歯学部附属病院, 助手 (90302158)
キーワードレーザー / CT / ヘテロダイン / 歯
研究概要

現在、歯科領域において透視診断法の主力として用いられているX線CTならびにMRIでは、患者に対して電離放射線や強磁場など払拭しきれない不安が存在している。Coherent Detection Imaging(CDI)は光ヘテロダイン法に基づく断層撮影法であり、自然界では普段存在している可視光線を線源としているので上記の懸念が全くなく、しかも生体内を色彩に依存した画像として再現し得るこれまでにない透視法として近年注目されている。本研究ではCDIによるヒト抜去歯の光断層像を取得し、臨床上における有用性を評価した。光源として、単一周波数モードのHe-Ne(632.8nm)、Titanium-sapphire(Ti:Al_2O_3,770nm)および半導体(532mm)レーザーを用いた。試料として断層画像の臨床評価用として22、組織像評価用として10歯のヒト健全抜去歯を用いた。試料に照射されるレーザー光強度は1mW以下、撮影時間は1試料あたりおよそ20分であった。断層像取得後、試料を薄切(200μm)し断層像との比較を行った。臨床評価用22歯より得られた断層画像の評価は歯科医師5人により5段階(1:poor〜5:excellent)評価されたところ、He-Ne光源による画像にて2.86±0.93、Ti:Al_2O_3にて2.98±0.88であった。組織像評価を行った10歯(半導体レーザー光源)については断層像上において歯髄腔および根管形態が良好に再現され、X線法では得ることができない象牙質中における透明化した部位や象牙細管走行に伴う紋様および着色による濃淡による組織変化、さらに歯髄腔内における石灰化部位を検知できた。以上の知見により、光CTは齲蝕や抗生物質投与による硬組織変色など、象牙質の着色や透明化を伴う病変を診断し得る能力を有することが実証された。本透視法は将来的には歯科以外の分野でも応用可能であり、生体に何ら為害作用を及ぼさない安全なレベルの可視光レーザーを用いているので運用には特別の資格を必要としない。将来的には誰でも手軽に用いることのできる診断ツールとして、社会における幅広い利用が期待される。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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