研究課題/領域番号 |
10357023
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
久保田 俊一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00260480)
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研究分担者 |
吉本 賢隆 癌研病院, 外科, 医長(研究職)
服部 俊治 ニッピ(株), バイオマトリスク研究所, 主任研究員
堀 久枝 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (80014190)
山本 一彦 東京大学, 医学部・附属病院・内科, 教授 (80191394)
脊山 洋右 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90010082)
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キーワード | 細胞外マトリックス / テロメラーゼ / 癌 / メロシン / MMP / ODC / 筋ジストロフィー症 |
研究概要 |
本研究は、癌や炎症性疾患、筋ジストロフィー症などにおける病態を細胞外マトリックスやテロメラーゼの発現の増減により把握し、その成果を診断、治療、予後の判定などに応用することが目的である。申請者らが、癌遺伝子として位置ずけたodc遺伝子とMMPsの発現をin vitroおよび手術癌組織、患者血清を用いてそれらの活性、発現を解析した。in vitroでodc遺伝子を発現ベクターに組み込みCOS細胞に発現させたところ、MMPsの発現が誘導された。そこで、胃癌、大腸癌の手術組織(癌部と非癌部)のodc活牲、mRNA発現 およびMMP-2活性、mRNA発現を解析したところ、odc、MMP-2ともに非癌部と比較して、癌部で発現が高く、また、odcとMMP-2の両者の発現に正の相関が見られた。また、乳癌組織を用いて同様の傾向を得た。消化器癌患者血清中でMMP-2,MMP-9が高値を示し、病態把握に有用であることが判明した。この結果を癌治療に応用するため、培養胃癌および大腸癌細胞を用いて、odc遺伝子のアンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞に導入し、odc発現を抑制したところ、両細胞の増殖が著明に抑制された。脳腫瘍に関して、髄液中と腫瘍組織中のMMP-2,MMP-9の発現の相関を比較検討し、髄液中のMMP-2,MMP-9が脳腫瘍の病態を把握しうるとの結果を得た。正常人脳脊髄液中でラミニンα2(メロシン)鎖を検出することに成功し、筋ジストロフィー症の病態把握を可能とした。皮膚ケラチノサイト培養細胞および皮膚癌細胞で、MMP-2とMMP-9の発現が異なり、病態把握に有効であることを示した。各種癌細胞を用いてテロメラーゼ活性を測定した。強い活性を示したのは、RD、MDA-MB-231、A549、HT1080細胞であった。また、癌のマーカーとなる新規のヒトテロメラーゼ遺伝子をPCR法でスクリーニングし、ホモログの断片をクローニングした。
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