研究分担者 |
関口 龍郎 東京大学, 大学院・理学系研究科・日本学術振興会, 特別研究員
千葉 滋 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (80282713)
一杉 裕志 通商産業省工業技術院, 電子技術総合研究所, 研究員
大堀 淳 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (60252532)
米澤 明憲 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00133116)
|
研究概要 |
内部にプログラム,データ,計算の状態を含むオブジェクトを,ネットワーク環境上で,厳格な計算機資源アクセス管理下のもとで移動・実行可能としたものをモーバイルオブジェクトと呼ぶ.我々は以前より,インターネットに代表されるオープンな広域ネットワーク環境上で,特定のプログラミング言語設計に依存せずにモーバイルオブジェクトを実現するソフトウェア基盤であるP_<LANET>の設計と実現を進めている.本年度はP_<LANET>を利用し,インターネット環境上で実際的に有用なモーバイルオブジェクト・アプリケーションを構築する試みとして,WWWサーチロボットをモーバイルオブジェクト技術を利用して実現する研究を行った.本研究組織を構成する筑波大学,東京大学,京都大学,通産省工業技術院電子技術総合研究所に,本研究費で購入したワークステーションを配置し,文部省の運営する広域ネットワークであるSINETを利用して,P_<LANET>を用いて実装したモーバイルWWWサーチロボットを実際に稼働させた.情報収集の間は広域ネットワークを利用する必要がなく,ロボットの送出と結果の回収のときのみ広域ネットワークを利用する.ロボットの記述には,本年度に並行して研究開発を進めているP_<LANET>上のモーバイルオブジェクト・プログラミング言語であるP_<LANET>/C++を利用した.これによって,現行の静止型Webサーチロボットと比較して,より少ないネットワークバンド幅利用のもとで,しかも,Webサーチロボットを高速実行させることが可能であることを実証した.この結果はIEEE Transactions on Knowledge and Data EngineeringのWeb特集号(1999年3月号を予定)に公表予定である.
|