研究課題/領域番号 |
10358011
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宇津呂 雄彦 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (50027421)
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研究分担者 |
曽山 和彦 日本原子力研究所, 中性子科学研究センター, 副主任研究員
日野 正裕 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (70314292)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | 反射羽根 / 回転装置 / パルス中性子 / 冷中性子源 / 同期制御 / 中性子減速装置 / スーパーミラー / 超冷中性子 |
研究概要 |
本試作研究は、次世代の強力中性子源施設方式である陽子加速器核破砕パルス中性子発生と液体水素冷中性子減速材を組み合わせて得られる強力短パルス極冷中性子を効果的かつ連続的に超冷中性子に変換する全く新しい機能及び構造の装置の試作を行ったものである。 当該装置の原理は、パルス冷中性子源から飛行時間分布に従い装置に入射する極冷中性子を、広い速度範囲にわたって高い効率で超冷中性子に速度変換する、いわゆるエネルギー集束型の動作を実現するため、刻々変化する入射極冷中性子の速度にあわせて回転する中性子反射羽根の速度を同期制御するものである。 まず、本研究で考案された羽根速度同期制御機構について、計算機によるシミュレーション数値計算を行い、装置設計の見通しを得るとともに、中性子反射羽根に用いるスーパーミラーとして必要な特性を明らかにした。 ついで、当該羽根鏡として求められるスーパーミラーの諸特性を実現する短周期多層膜鏡の試作開発を行い、所定の性能・特性を有するスーバーミラーを開発した。 当該試作装置の特性試験を行う施設として、高エネルギー加速器研究機構のパルス中性子源KENSを予定し、その発生パルス極冷中性子の飛行時間分布を実測し、以後の設計の参考とした。 中性子反射羽根速度同期制御機構について、複数の動作機構案を比較検討し、その結果有力と考えられた3種類の機構については、機構部の試作と作動試験及び詳細な解析等によりそれらの動作精度、動作の円滑性、装置の強度及び発生負荷加重等を明らかにし、その結果最終的に最も優れた機構、構造及び各部寸法が決定された。 極冷中性子の飛行速度分布に対する同期制御を行う駆動機構部についても、その制御精度及び発生電気雑音等について運転試験を行い、所要の機器を決定した。 当該装置の全体外径寸法を、所要羽根組数、作動遠心力及び羽根同期制御精度等の検討結果から決定し、本体真空容器を製作した。 これらの経過を経て、当該研究の目的である加速器型強力超冷中中性子源としてのエネルギー集束型スーパーミラー中性子タービンの試作を達成した。
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