研究課題/領域番号 |
10358014
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川崎 昌博 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70110723)
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研究分担者 |
本間 章 リオン株式会社, 技術開発部, 主任
松見 豊 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (30209605)
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キーワード | 水 / 3倍音吸収 / パルスレーザー / 光音響分光法 / 同位体測定 / PAS / マイクロホン / 4倍音吸収 |
研究概要 |
水の4倍音吸収(717〜738nm)を対象として、パルスレーザーを用いた光音響分光法(PAS)により水中のH_2^<18>Oの割合を測定する事が可能であることが分かっている。本研究では、この測定の精度を上げることを目標とした。本実験では、精度の向上を目的として吸収強度の強い水の3倍音吸収(870〜1050nm)を測定の対象とした。Nd:YAGレーザー励起DyeレーザーをPASの波長可変光源とした。色素としてstyryl 14の炭酸プロピレン溶液を用い904nm〜990nmの範囲の光を発振させた。レーザー光は、窓板からの音響の発生を防止するために赤外線反射防止膜コーティングをされた二つの石英の窓を持つ光音響セルに入射した。二つの窓の間隔は13.5cmとし、光音響波の検出にはセル内に設置されたコンデンサーマイクロホンを用いた。セル内を通るレーザー光とマイクロホンの間隔は約1cmとした。測定はH_2^<18>O、H_2^<16>Oそれぞれのピークに対して、オシロスコープ上で光音響波を128回積算し、適当な波長範囲において0.002nm刻みでレーザー光の波長を掃引して行った。一つのサンプルの測定には約7,000秒を必要とした。試料は空気と混合し、全圧が100Torrに、水の分圧が15Torrになるように調節した。吸収線はHITRANデータベースで同定した。これまでに、δ^<18>_<SMOW>=-55.5%の試料についてその同位体比率を測定した結果、δ^<18>_<SMOW>=-55±10%という結果が得られ、従来の4倍音吸収を用いた測定に比べ測定濃度が向上した。しかしながら、実用のためには光音響信号のS/N比をさらに上げる必要がある。
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