研究課題/領域番号 |
10358019
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
城石 俊彦 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 教授 (90171058)
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研究分担者 |
若菜 茂晴 (財)実験動物中央研究所研究プロジェクト推進センター, 室長代理 (90192434)
小出 剛 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助手 (20221955)
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キーワード | 染色体欠失変異 / 日本産野生マウス / クロラムブシル / 精子凍結 / RLGSマッピング |
研究概要 |
(1) 日本産野生マウス由来のMSM系統については、欠失変異を誘導するCHLの至適投与条件を検討した。このため、2mgから8mg/kg体重の異なった量のCHLをMSM系統の雄に腹空内投与し、投与後1週から4週目の1週間のインターバルにC3H雌2頭と交配し、その期間に得られたG1世代の個体数を算定した。この方法で最も出産数の低下する条件を探索した。 (2) 突然変異誘発に用いるマウス系統について、受精卵凍結に加えて精子凍結についての基礎条件と凍結精子を用いた体外受精について検討した。基本的には、中潟ら(1996年)の方法を用いた。即ち、突然変異のFounderマウス個体の成熟雄(12週令以上)の精巣上体尾部から、精巣上体管を細切後、ラフィノース、スキムミルクを含む凍結保存液の中に精子を懸濁し、ストロー中に充填後、冷却フロートに入れ液体窒素中にて凍結した。凍結精子を用いた体外受精は、凍結精子を液体窒素から取り出し、37度Cの温水で融解し、精子浮遊液を媒精用培地に移し1.5時間の前培養後に、過排卵卵子を加えて媒精を行った。体外受精の効率は、受精卵を培養した後、2細胞期まで達した胚数、Blastocyst期まで達した胚数、及び2細胞期胚を輸卵管に移植して出産した産仔数を各々の実験で用いた胚の母数に対する比率として求め検討した。 (3) CHLで処理されたMSM系統雄から作製した(C3H X MSM)G1世代個体を用いて、RLGS法による染色体欠失の検出系を確立した。C3H/HeJ系統とMSM系統は、異なった亜種に属するため極めて大きな遺伝的多型が存在し、RLGSにおいてほぼ50%のスポットが両系統で多型的となっている。具体的には、染色体欠失が誘導されているMSMを用いた交配で(C3H x MSM)G1世代個体のゲノムDNAをRLGS法によって二次元に展開して、MSM由来の染色体の多型スポットの欠失を検出する実験系を開発した。
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