研究概要 |
クロラムブシル誘導により得られたG1世代マウスについて一般的なランダムスクリーニングを実施して、Mutantの選抜を行った。ランダムスクリーニングの内容は形態観察、血液および血清学的検査(血糖値、総コレステロール値、HDL値、中性脂肪値、白血球百分比)である。この結果、以下の突然変異候補マウスが検出された。 (1)低血糖傾向:雄1例(CHL0106)、雌3例(CHL0126,0128,0163)に低血糖傾向(コントロール値が雄で103.0±23.2mg/dl、雌で69.0±6.6mg/dlであるのに対して、各Founderの示す値は30〜50mg/dl前後であった)が認められた。これらののマウスについてはG3世代まで繁殖維持を継続している。それぞれの世代で、低血糖傾向の個体は認められるものの、群全体では表現型の明確な分離は認められていないため、形質の遺伝性についても明らかではない。このため、現在、週令を厳密にあわせたControl値を得るため、無処理群由来のものと併せてG4世代を繁殖中である。 (2)止血亢進変異:眼下採血時に止血亢進が認められたもの(雄)が1例検出された。この個体についてG2からG3世代を作製し遺伝性を確認したところ、明らかに次に世代に変異表現型が遺伝しており突然変異であることが示された。この原因遺伝子のマッピングのための交配と止血の機序に関与する遺伝子の構造解析を行っている。
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