研究課題/領域番号 |
10358020
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
北畠 顕 北海道大学, 医学部, 教授 (00124769)
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研究分担者 |
岡本 洋 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (50260394)
三上 大世 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90250456)
山本 克之 北海道大学, 工学研究科, 教授 (10088867)
安田 慶秀 北海道大学, 医学部・附属病院, 教授 (60125359)
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キーワード | 生体微細構造 / 高周波超音波 / 高速電子走査 / 探触子 |
研究概要 |
1. 10MHz探触子の試作と予備的検討:10MHzリニア型探触子を作製し、以下の検討を行った。 (1) 工学的特性の検討:ハイドロホンを用いた発信超音波の周波数スペクトラム測定で、周波数帯域が5.8MHzから12.5MHzにおよぶ広帯域であること、また、ファントムを用いた空間分解能測定で、従来の7.5MHz探触子に比し優れた距離方向および方位方向分解能を有することがわかった。 (2) 生体での上肢小動脈計測の精度に関する検討:健常者14例の上腕動脈と撓骨動脈を観察し、その内径および壁厚を計測し測定値の再現性を検討したところ、従来の7.5MHz探触子に比し10MHz探触子では再現性が高く、小動脈計測精度に優れていた。 (3) 冠動脈摘出標本における計測精度の検討:剖検例から摘出した固定後の冠動脈を血管外から観察し、計40箇所につき内腔面積と内膜中膜複合体面積を計測し、同一断面の病理組織標本からの計測結果と比較した。従来の7.5MHz探触子に比し10MHz探触子では、内腔および中膜外膜境界が全周にわたって明瞭に描出され、動脈硬化病変の形状もより忠実に描出された。内腔面積と内膜中膜複合体面積の計測における、組織標本からの結果との相関係数は、7.5MHz探触子でr=0.60,r=0.55であったのに対し、10MHz探触子ではそれぞれr=0.86,r=0.83と改善し、より高い計測精度を有することが証明された。 2. 12MHz探触子の試作と性能評価:l2MHz高速電子走査型探触子の製作にあたっては、従来より狭い幅の振動子が必要であり、その切削加工に困難を伴った。現在、完成した探触子を用いてファントムを観察し、超音波装置の画像作成回路の調整を行うとともに、探触子の工学的特性を評価中である。今後は、小血管摘出標本、ヒト末梢動脈および小動物の心臓に試用し、実用に向けての性能評価を行う。
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