研究課題/領域番号 |
10358020
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
北畠 顕 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00124769)
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研究分担者 |
三神 大世 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90250456)
山本 克之 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10088867)
安田 慶秀 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60125359)
岡本 洋 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (50260394)
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キーワード | 生体微細構造 / 高周波超音波 / 高速電子走査 / 探触子 |
研究概要 |
1.15MHz高速電子走査型探触子の試作とその工学的特性に関する検討:今回試作した15MHz探触子の周波数帯域は9-17MHzであり、13MHzから15MHzでほぼフラットな最大強度を有する周波数特性が得られた。送信パルス幅は、従来の7.5MHz探触子に比し顕著な短縮が認められた。新たな高周波超音波診断システムの特長として、まず、高周波化による距離分解能の向上があげられる。つぎに、本体装置にデジタルビームフォーマと重み付け送受信機能を採用することにより、良好な方位分解能を得るためのビーム幅の狭い超音波音場と、優れたコントラスト分解能を得るための音響ノイズの低減が可能となった。さらに、並列受信ビームの同時処理により、毎秒656フレームにおよぶ撮像が可能であり、時間分解能に優れることも特長のひとつである。 2.15MHz探触子によるヒト末梢筋性中動脈の計測精度の検討:従来の7.5MHz探触子と、本研究で開発した10MHzおよび15MHzリニア電子走査型探触子を用いてヒト上腕動脈および橈骨動脈を観察し、2検者間での計測値を比較することにより、血管内径と内膜中膜複合体厚の計測精度を比較検討した。7.5MHz探触子の空間分解能は内膜中膜複合体の観察には不十分であったが、15MHz探触子では橈骨動脈でも壁内三層構造が明瞭に描出可能であった。血管内径・内膜中膜複合体厚の計測に関する検者間での再現性は周波数が高くなるほど段階的に改善し、15MHz探触子では良好であった。さらに、今回開発した15MHz探触子を用いて反応性充血前後での上腕動脈の観察をおこない、直管拡張反応の計測における計測間での再現性を検討したところ、従来報告されている7.5MHz探触子による再現性より優れていた。
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