研究課題/領域番号 |
10359003
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
箱嶋 敏雄 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00164773)
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研究分担者 |
清水 敏之 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (30273858)
東 常行 理学電機(株)X線研究所, 部長
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キーワード | 光学系 / ミラー / イメージングプレート / 構造生物学 / 分子認識 |
研究概要 |
本年度は主に、超高輝度X線発生装置FR-CにセットアップしたsupperのミラーX線光学系を用いて、マウス由来の転写因子IRF-2のDNA結合ドメインとDNAオリゴマーとの複合体結晶と低分子量Gタンパク質RhOAとその標的タンパク質キナーゼPKNの結合ドメインとの複合体結晶の構造決定を行った。 IRF-2/DNAの複合体は、既に重原子誘導体結晶を得ており、また、米国Mount Sinai医学校のAneel K.A ggarwalより供与されたIRF-1/DNA構造があるので、MIR-MRより位相決定し、構造を精密化する。予備的解析では、IRF-2は繰り返し配列にタンデムに結合しており、IRF-11DNA構造とは種々の点で異なることがわかった。この研究はEMBOJに投稿中である。 RhoA/PKN複合体では、すでに我々が構造決定した活性型のRhOAの構造をもとに、分子置換法で構造決定した。PKNのRhoA結合ドメインは、反平行の2本のαヘリックスがcoiled-coil状に束になった構造をしており、我々はこの構造をACC-フィンガーと名付けた。ACC-フィンガーはRhoAのSwitch I、βストランドB2とB3、ならびにαヘリックスA5と主に水素結合により、認識されていた。また、結晶中では、もう一方のACC-フィンガーがSwitch II領域に結合していることも分かった。これはPKNが2つのドメインでと結合するという生化学的実験データと良く符合した。 Yale製のミラーX線光学系の超強力度X線発生装置RU-300Hへのセットアップを行っているが、これについては、来年度にその性能評価をする。
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