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1998 年度 実績報告書

児童生徒におけるスギ花粉症の実態についての研究-臨床面・基礎面からの評価-

研究課題

研究課題/領域番号 10400003
研究種目

基盤研究(B)

研究機関昭和大学

研究代表者

飯倉 洋治  昭和大学, 医学部, 教授 (30056882)

研究分担者 茆原 順一  秋田大学, 医学部, 教授 (80197615)
永井 博弌  岐阜薬科大学, 教授 (90082974)
秦 大資  岸和田市民病院, 医長
細井 進  京都大学, 医学部, 講師 (80144377)
伊藤 由紀子  国立三重病院, 医長
キーワードスギ花粉症 / アトピー性皮膚炎 / 気管支喘息 / 学童
研究概要

今年度は疫学的な検討、スギ花粉症の鼻における病態の研究、スギ花粉症患者のスギ抗原を負荷した時の他の臨床症状の変化及びスギ飛散時期における他臓器の臨床症状増悪に関する研究を行った。その結果興味ある事実が見つかり、今後の学校における指導に新しい注意事項が幾つか見つかった。特に、この研究班は従来スギ花粉症というと鼻・目に限定して論じられてきたが、スギ花粉飛散時期に他のアレルギー疾患がどのようになるかも重要で、この観点から検討を行った。(1)京都府及び滋賀県の公立小・中学校学童55414人のアレルギー疾患調査で(回収率87.8%)、スギ花粉症の有症率は全体で5.2%で、段々と増え小4が5.6%と最も高く、その後低下し、中学3年でまた増加してきた。アトピー性皮膚炎児はスギ花粉有症者がより重症であった。(2)小児喘息患者の抗原検索を行うとハウスダストが中心である。そこでハウスダスト陽性患者41人のスギ抗原陽性者を検討したところ、13人(32%)が陽性であった。この事はスギ飛散時期に喘息患者の臨床症状の状態及び呼吸機能がどうであるかが問題である。(3)そこで、スギRASTスコア3以上群13例(スギに強く影響を受けている群)とRASTスコア0群患児8例にスギ抗原による鼻粘膜誘発試験をスギ花粉が飛散しない7月〜9月に行った。その結果、13人中12人が鼻症状陽性で、呼吸器機能検査のFEV_<1.0%>で、RAST3群は有意に低下がみられ、スギ抗原が陽性喘息患者はスギ花粉飛散時期に注意が必要といえる。(4)治療の新しい試みはCO_2レーザー治療で、6例中5例に改善が認められた。この事は、スギ花粉飛散時期前に行う治療として小児にも有用と言える。(5)スギ花粉患者の鼻粘膜への特徴的好酸球浸潤が何故起こるのかの研究で、Eotaxinの存在が明らかになった。
以上のことから、スギ花粉飛散時期は他のアレルギー症状も影響を受け、症状悪化に対する予防が必要であるといえる。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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