研究課題/領域番号 |
10400013
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
香川 邦生 筑波大学, 心身障害学系, 教授 (60224341)
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研究分担者 |
千田 耕基 国立特殊教育総合研究所, 視覚障害教育研究部, 部長 (40099940)
柿澤 敏文 筑波大学, 心身障害学系, 講師 (80211837)
鳥山 由子 筑波大学, 心身障害学系, 助教授 (00302365)
池谷 尚剛 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (70193191)
中野 泰志 慶応義塾大学, 経済学部, 助教授 (60207850)
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キーワード | 弱視教育 / 視覚特性 / 拡大教材 / HTML |
研究概要 |
平成12年度においては、平成10年度及び平成11年度の研究成果を踏まえて試作された小学校算数の拡大教科書の評価を行うとともに、電子情報として入力されている教材を、弱視児一人一人の視力や視機能の状態等にあわせて、コンピュータのディスプレイ上にどのような形で提示するのが適当であるかを研究した。 試作した小学校算数の拡大教科書の評価に関しては、盲学校小学部の3年から6年の各学年の児童数名及び盲学校中学部の生徒数名に面接調査の形式で教材を提示し、(1)文字や記号のサイズ、(2)文字や記号の種類、(3)行間・文字間、(4)図形の大きさ、(5)紙面のレイアウト、(6)本の大きさや厚さ、(7)その他拡大教科書に関する意見について、それぞれの観点別に調査した。その結果、概ね作成した拡大教科書は、大変見やすいという評価を得た。しかしながら、一部の図形については、網掛けの見にくさ、図の中の文字の見にくさを指摘する声も聞かれた。また、本の大きさや厚さに関しては、できる限りコンパクトなものを望む声が大勢を占めた。さらに、作成した拡大教科書はモノクロであるが、是非カラーにして欲しいという強い希望が出されていた。 また、コンピュータのディスプレイ上に提示する方法については、弱視児の見え方の個人差に応じたレイアウトが簡単な操作で画面上に提示できるという観点から、HTMLで編集することとした。HTMLによる教材は、現在試作の段階であるが、弱視児にも簡単な操作で、文字サイズ、一行の文字数、行間・文字間、図のサイズ、配色等を選択することができるので、弱視児の見え方の個人差に応じた教科書や教材の提示という点で大きな力を発揮するものと期待される。なお、ディスプレイ上に提示するのみならず、紙面にプリントアウトする方法も今後検討していきたいと考えている。
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