研究概要 |
1. 「総合的な学習の時間」の単元カリキュラム開発の理論モデルの構築 学問中心の教科の教育内容や知識内容の理解の教育でなく,「生きる力」に結びつく課題探究能力,「智恵」の育成を目指し,子ども達の身近な題材を出発点に,単なる智恵の育成に留まらず,体験・実験観察・制作の課題探究の過程で,“発見と創造"の連鎖の中で,基幹となる“科学的な問い"の知識を獲得・体系化し,主体的に取り組む,学びを支援する「総合的な学習の時間」の単元カリキュラムの理論モデル構築の枠組み提案した。 2. および3.小学校および中学校「総合的な学習の時間」の単元カリキュラムの開発 (1)の視点で,小学校と中学校レベルの単元カリキュラム開発・教材開発の研究班に分け,I環境への対応(a大気汚染,b水の汚染,c自然と親しもう),II情報化への対応(a表計算ソフトの活用,bシミュレーションソフトの活用,cプレゼンティション用ソフトの活用,d検索ソフトの活用,fネットワークソフトの活用),III人の体について学ぶ(a感覚機関などの体のつくりについて),IVものづくりを通して学ぶ(a電気に関するものづくり,b化学についてのものづくり,c力学・光学・音に関するものづくり,c生物にかんするもの,e天文に関するもの)に分け,子ども・教師にとって既知の知識を総合化する,また,未知の分野,未踏の分野での課題に挑戦しながら課題解決していく探究能力形成を目的とする単元カリキュラム開発を行ってきた。 4. 「総合的な学習の時間」の評価と指導:伝統的な学問の概念体系,内容体系から導かれる教育評価と指導ではなく,(1)の立場に立ち,体験・実験観察・制作を通して形成される科学的探究能力,総合的な科学的認識,興味関心,探究的態度の形成過程を評価・指導するフレームワークと評価方法の試案の構想を固めた。
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